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写真を織りなす要素〜色彩、光影、粒子感〜

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写真を構成する要素

写真を構成する要素には構図、色彩、光影、粒子感(凹凸感)などが挙げられます。印刷するのであればさらに粒子感、紙の材質などが挙げられます。

さらにストーリーを与えることにより、写真表現の幅を広げることができるようになります。

僕たちが普段見ることができる様々な写真は、これらの要素が互いに結びつきながら形にされたものです。

写真の色味が温かいのか冷たいのか、明るいのか暗いのか、鮮明なのかボヤけているのか。これらのどれか1つの軸が動いただけで、完成する写真の印象がガラッと変わってしまうと思います。

構図

写真を撮影していると必ずといっていいほど【構図】という言葉を聞くと思います。構図という意味を辞書で調べてみました。

①絵や写真などの画面の、全体の構成。
②平面的な造形美術で、全体の効果を高めるための諸要素・諸部分の配置。コンポジション。
③(比喩ひゆ的に)物事全体のすがた、かたち。
‐大辞林 第三版より‐

全体がどのようにして成り立っているのかを示す言葉が、構図という言葉です。つまり各種要素を理解しておくことが、自由度の高い表現をする上で役に立つのではないかと思っています。

そこで写真を構成する各種要素について、まとめていきます。

色彩

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写真の表現する上で色彩はすごく重要です。写真の色味の違いで伝わる印象がまったく変わってきます。どんな場面なのかによって彩度や色合いのパラメーターの方向性が変わります。

例えばおいしそうな料理であれば彩度は高く、色味は暖色系にします。淡い表現にしたいときは彩度を抑え、青味を足します。

通常の写真では「どんな色にするか」という色情報に依存する部分が強く表れますが、色のないモノクロ写真では質感やディテール、コントラストや輪郭などが重要になってきます。またモノクロ写真ではその場の雰囲気がより迫力をもって伝わります。

色のあるカラー写真では色に目がいってしまうと思います。でも、その写真から色が抜けたらどうでしょうか。色に支配されていた部分がなくなるので質感やディテールに注目がいくようになります。

普段の何気ない写真もモノクロで表現すれば、普段は注視することのない部分に目がいき、面白いことが発見できるかもしれませんね。

光影

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光と影を上手く捉えることができるかどうかで、仕上がりの写真に大きく影響が生まれます。写真を愛する者は、光影と上手く付き合っていくことが必須です。

影があることで写真自体にはメリハリがつきます。光が強くなればなるほど影は濃くなり強いコントラストになります。一方、光が弱くなればなるほど影も薄まりコントラストは弱まります。

光と影は切っても切り離せません。光あるところには必ず影が現れます。

影があることで、光の部分に目がいくようになり、そこに注目させるような表現ができるのです。

光が完全に無くなったとき、残るのは誰も、何も捉えることができない闇です。

モノクロ写真の話の部分と関わりがあるのですが、光の強さの度合いで影の濃度も変化します。

写真の世界では影の中に濃度が現れることで、立体感を持たせることができるようになります。
写真という平面の世界に、影の力を借りることで立体感を持たせた表現ができるようになります。

粒子感(テクスチャー)

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写真をプリントするときには光沢マットか選ぶことがあると思います。紙の表面が凹凸になっているか否かで、光沢かマットかは変わります。

落ち着いた、上品な、柔らかい感じを演出したいのであれば、光の反射を抑えることができるマット紙を使うのがいいと思います。
元気のある、活気のある感じを出したいのであれば、光が反射する光沢紙を使うのがいいと思います。

また写真の画質の粒子感の違いにより印象が変わります。
粒子感が荒かったり、柔らかかったりすることで、仕上がりの写真に違いが出てきます。一般的には粒子感が強い方が、”懐かしい感じ”がしてノスタルジー的な表現がしやすいのかもしれません。

同じ風景をカメラに収めるのでも、写真の粒子感の違いによって懐かしく感じてしまうというのは興味深いものです。

画質が荒い=高画質になっていない時代(昔)

という認識になるのかもしれません。

まとめ

さて本日は写真を構成する要素についてお話していきました。写真を構成する要素は、他にもたくさんあります。本当はもっと細かく触れたい部分もあるのですが、また別の機会にします。

自分が表現したい部分を明確にすると、どの要素をどんな風に変えればいいのかがわかってくると思います。写真1枚1枚に命を吹き込んでいく過程を経験していきましょう。

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