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転勤の思い出

当社ではまだ女性社員が転勤することが珍しかった10年以上前。
関西へ転勤することになりました。
なんというか、まあ、結構な大騒ぎになりまして,転勤までの1ヶ月半、昼も夜も送別会のお誘いが続きました。

幸いその当時、
「俺から離れるのかー!」
とか
「キミと離れたくないー!」
とか言ってくれるような男性もいなかった為、ウキウキドキドキな転勤生活が始まったわけですが。

関西の思い出はもう数限りなし。チームにも恵まれ、打ち合わせはまるでお笑いコンテストか?というくらい笑いが絶えず,まるで別の会社に転職したのか、というくらいでした。

「関西,たのしィかー?それはよかったナァ。でもこっちはもう、どう笑いとったろーか、打ち合わせなんか毎回恐怖やで。」

と先輩が仰っていたのも懐かしい思い出です。


さて、そんな会社の目の前に美味しい照り焼き鶏定食のお店がありました。900円くらいだったかな。
メインには鶏ももの炭火照り焼き、揚げとわかめのお味噌汁、ご飯,お新香、サラダ。

極め付けは,関西だからなのかたまたまなのか、生卵が食べ放題。
目の前に無造作に積まれた生卵。
転勤当初はもじもじと、もらっていいのかな?図々しいと思われるかな?などと貰えなかったのに,ものの数ヶ月もすれば,もう、ね。

ただ、私は最初,この生卵がなんのために置かれているのか全くわからなかったのです。
鶏のタレかえ?だって、つくねも生卵を絡めるし。

でもこれ、どうやら、卵かけご飯のため。先輩が教えてくれまして
「なんや?卵かけご飯,食べたことないんか!ほんまか!?」
そうなんです。当時30半ば,一度も卵かけご飯,というものを,食べたことありませんでした。

なんだか、ねこまんま、のイメージが強くて。。
見た目が。。

とかなんとか。
ですが、まあせっかく関西に来たのです。目の前にはわんさと積まれた生卵があるのです。勇気を出して、一個、手に取ってみました。

緊張の一瞬。ご飯の上へ。
...パカ。
おー、キミが丸い。きっとこの卵は新鮮。

で、一混ぜしてみてご飯と共に口へ。
おー!卵チャーハンとはまた違う(そりゃ、そうなんですが)ねっとりと甘い美味しさ!
鶏ももと一緒に口へ運ぶ。
うわー!これは美味しい!炭焼きの香ばしさ,ご飯の甘さに卵が絡む!

そこからこのお店に行く度に卵かけご飯をお腹いっぱい食べさせて頂きました。
あれから10年以上経ちました。まだお店はあるかな。

なぜか卵かけご飯はやっぱり自分では作らないのですが、デビューのお店のことはいつまでも覚えています。

#うちの卵かけごはん

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