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小さな"好き"を繋げて生きる


『好きこそものの上手なれ』ということわざがある。

最近なんだか意識してしまうことわざ。


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私は小さい頃から絵を描くのが好きだった。

スケッチブックの減りは早い方だった。夏休み明けの小学校には何枚かの作品を持って登校していた。もちろん図工の授業は大好きだったし、日頃のノートテイクも絵日記もお手のもの、だった。

だけど、だからといって「将来の夢」に絵を描く仕事を選んだことはなかった。たぶん一度も。


中学生になって、何らかの係の仕事の一環で、教室の掲示板に貼る飾りを作って持って行った(おそらく、勝手に)。そのとき、色画用紙を切って貼る魅力と出会ってしまった。


高校生は、ボランティアにハマっていた。子どもとの遊び道具も、おじいちゃんおばあちゃんへのバースデーカードも、プレゼン大会の資料も、全部書いたり貼ったりして作った。

学校帰りには本屋でアイデアを見漁り、100円ショップで素材集めをするのが日課だった。当時、各種100均の文具と手芸コーナーの品揃えは大体完璧に把握していた。

作業に時間がかかることは苦じゃなくて、それよりも、納得のいかないままの完成品が自分の手元から離れていくことが許せなかった。

なんでも作りたくなって、少しでもかわいくしたくて、文字通り"寝る間も惜しんで"作業に明け暮れる日も少なくなかった。夜な夜な色画用紙を切り貼りして、教室で折り紙を折っていた。授業中は眠たかった。見かねたクラスメイトが手伝ってくれた。休み時間に折り紙しながら雑談するJK。どんなだよ。

こだわり過ぎて、いろんな人に小言も言われていた。担任と親は呆れていた。

後になって考えると、正直私が頑張りすぎたことでたくさん迷惑をかけたし嫌な思いもさせたと思う。周りへのプレッシャーとか、下の世代への引継ぎとか。当時の私にはそれが分からなかった。というか、自分が頑張りすぎているという自覚がなかった。好きだったから。私にとっては苦じゃなかったから。学び。


高校を卒業して大人になっても、相変わらず手描きで書きまとめる作業は好き。バイト先やイベントでポップを作ったり、お仕事でチラシを作ったり。アルバムや色紙を贈る企画には、自前の工作セットを持って集合した。あと、模擬授業の資料作りも燃えるイベントだった。教免課程楽しかったな~

やっぱり積極的にお仕事にしようと思ったことは一度もないけれど、それでも「描くこと・作ること」が大好きで、機会があれば積極的に手を挙げてきた。

そして、今、これまでにない規模の、とても大きな看板作りを任せて頂いていて、日々わくわくしながら作業している。こういう時期はいつにも増して本屋さんへアイデア集めに出かけてしまう。

私はこうやってじりじり追い詰められながら頑張る期間が好きだけど、同時に、作るお仕事って、本当に終わりも境界もないよなあ。と、頭が下がる。

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漠然と「好きなこと」を続けてきた。

「描くこと・作ること」を生活や選択の主軸に置いたことはなかったけれど、どこへ行っても、「好きなんです、やらせてください!」のアピールはなるべくするようにしていた。やりたかったから。

それが繋がって、私は今も細々と「好きなこと」を続けられている。まさに、『好きこそものの、、』だと思う。好きで、続けてきたから、挑戦の場は増えて、積み上げてきた経験と小さな自信とプライドのストックがある。

「描くこと・作ること」だけじゃない。大好きな教育も、動画のお仕事も、好きでいられたから続けてこられて、続けてきたから好きでいられた。


「好きなこと"で"生きる」って、すごく難しい。

好きなことを生業にして、それでも好きでい続けること。そこには相当の努力や工夫、大切な信じて頼れる仲間が必要だ。他にももっと必要かも。


だけど、「好きなこと"で"生きる」は難しくてハードル高そうでも、「好きなことをして生きる」は、そう気負わずとも誰にでもできる。私にできているんだから。

好きなことは、それを好きでい続けさえすれば、いつでも「好きなことをして」生きられる、と思う。

つまり、それだけ、「好きなことをして」から「好きなこと"で"」の間には果てしない頑張りがある。苦労があって、覚悟があって、かっこいい背中がある。頭が下がる。


私は「好きなことをして」生きている。生きていく。

これができている今がすごく幸せだと思う。

何年も、絶やさないよう"好き"を繋げてきた。その機会は降ってきたわけじゃないけど、とてつもなく恵まれていたことは間違いない。感謝でいっぱい。やっぱり私は自分の人生が好きだ。



▶最後に。本当に面倒くさい話。

ときどき「あなたは好きなことして生きてていいね~羨ましい~」って言われると、なんだかとても悲しくなる。

いい意味で、善意100%の声掛けだって分かってる(そう思ってる)。だからこそ、悲しくて悔しくて、寂しい。非常に贅沢なもやもや。

こんな私だって、好きなことを続けるために、いっぱい努力して、工夫して、短い人生の中でたくさんのコストを費やしてる。

それは、誰だって同じでしょう?


みんな頑張ってる。

簡単に生きている人なんて、悩みがない人なんていないんだからさ。

それぞれ違っていて、昨日のあなたと今日のあなたは違うんだからさ。

だから、できれば、「好きなことしてる人」なんてひとくくりにしないでおくれよ。私もあの子もあなたも。

みんな違ってみんないいんじゃないの。それはみんな同じじゃないの。

私もあなたも、それぞれの"好き"を繋いで、頑張って生きてるんだから。


この気持ちを、私の"好き"が作る世界をもっと繋げていく原動力にするね。



おわり。



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