丸山淳一 読売新聞オンラインに連載中「今につながる日本史」

読売新聞調査研究本部総務。経済部出身。2019年9月までBS日テレ「深層NEWS」キャ…

丸山淳一 読売新聞オンラインに連載中「今につながる日本史」

読売新聞調査研究本部総務。経済部出身。2019年9月までBS日テレ「深層NEWS」キャスター。隈本県民テレビ報道局に出向中、熊本地震に遭遇し、災害報道も経験しました。

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「今につながる日本史」おかげさまで完売しました

読売新聞オンラインで連載したコラムに、このブログの書き下ろしも加えた拙書『今につながる日本史』が本になり、5月20日、中央公論新社から発売されました。  2018年から2020年までに読売新聞オンラインに掲載した「今につながる話」のほか、歴史のこぼれ話〈余話〉、書き下ろしコラムや元号一覧表、作家の堂場瞬一さん、「歴史の達人」出口治明さんのインタビューも収録しました。全国の書店でお求めください。  お読みになった方、本の通販サイトなどにレビューをお寄せいただけると励みになり

    • 関東大震災から99年 知るべき教訓とは 

      10万人を超える犠牲者を出した大正12年(1923年)9月1日の関東大震災から99年。この震災では特に隅田川東側の江東地区、当時の本所区(現在の墨田区南部)と深川区(江東区北西部)の被害が大きく、両区での焼死者はあわせて5万人を超えた。このうち3万8000人が本所区横網の陸軍 被服廠(ひふくしょう) 跡で亡くなっている。 読売新聞オンラインのコラム本文 ↑読売新聞オンラインに読者登録すると全文がお読みになれます 政府の中央防災会議の専門調査会委員で、関東大震災の検証を担

      • 畠山重忠と同じ「死ぬどんどん」の犠牲者、稲毛重成

         毎回のように誰かが権力闘争の犠牲となり、いわれなき死を遂げる。SNSでは朝の連続テレビ小説をもじって「死ぬどんどん」の異名がついた『鎌倉殿の13人』。9月18日放送回では、鎌倉幕府の公式記録『吾妻鏡』が「譜代勇士、弓馬達者、容儀神妙」とほめあげた坂東武者の鑑(かがみ) 、畠山重忠(1164~1205、演:中川大志さん)が謀反の疑いをかけられ、殺された。 読売新聞オンラインのコラム本文 ↑読売新聞オンラインに読者登録すると全文がお読みになれます 上総広常を上回る理不尽さ

        • 加来耕三さん、中西悠理さんと対談

          本紙の広告企画で、歴史教養番組「偉人・素顔の履歴書」(BS11、毎週土曜日午後8時放送)に出演中の歴史家、加来耕三さんと番組MCの中西悠理さんと対談してみませんか、と誘われて、ふたつ返事で引き受けた。番組を見ていただけでなく、加来さんの著書の何冊かには目を通し、コラムのヒントもいただいている。対談をまとめた広告には収容しきれない面白い話がほかにもたくさんあった。もったいない! お二人の許可をいただき、コラム番外編として公開することにした。なお、話の内容に合わせて発言の順序など

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          「年忘れ」と「忘年」は別の意味だった

            新型コロナは2020年末になって感染拡大の第3波が襲来し、東京都の小池知事が「年末年始コロナ特別警報」を出して、忘年会や新年会を自粛し、帰省を控えるよう呼びかけた。Go To トラベルキャンペーンは一時停止され、いつもの帰省ラッシュもない。東京などでは緊急事態宣言の再発令も検討される深刻な状況だ。  信用調査会社の東京商工リサーチが約1万社に行った調査によると、約9割の企業が忘年会や新年会を開催しないという。同期などとの小規模な忘年会や、部署での納会についても禁止する会

          信長の蘭奢待切り取りの真相とは

           大河ドラマ『麒麟がくる』(12月20日放送)で、織田信長(1534〜82)が、奈良東大寺の正倉院宝物の中でも特に有名な伽羅(きゃら)「黄熟香(おうじゅくこう)」を切り取る。文字の中に「東」「大」「寺」の名を隠した「蘭奢待(らんじゃたい)」の別名のほうが知られる天下の名香木だ。 信長の朝廷に対するスタンスがわかる この話をドラマがどのように描くかで、『麒麟がくる』の信長の朝廷に対するスタンスがわかる。以前はこの一件は強引な香木の切り取りは朝廷に対する自らの権力の示威行動と見

          日本独自のはんこ文化はいつ生まれたか

           河野行政改革担当大臣が進める行政デジタル化の一環として、約1万5000種類の行政手続きから「認め印」の押印がすべて廃止される見通しになった。河野大臣は「ハンコ文化を守ることには協力していく」というが、そもそも日本のはんこ文化の歴史はいつから始まり、どのょうに定着していったのかを振り返った。 読売新聞オンラインのコラム本文 ↑読売新聞オンラインに読者登録するとお読みになれます  はんこの起源は6000年ほど前、紀元前のメソポタミア文明にさかのぼるとされ、シルクロード経由

          学術会議問題と寛政異学の禁と滝川事件

           日本学術会議が推薦した新会員候補のうち6人を菅首相が任命しなかった一件が、尾を引いている。為政者による弾圧と抵抗は歴史にはつきもので、今回の任命拒否も学問の自由との関係が議論されている。  だが、今回の一件を現時点で学問の自由の侵害=違憲というのは違う気がする。今の学術会議のあり方については学者の中からも改革を求める声が出ていた。どんな組織でも改革をするとき、人事から手を付けることは間違いではない。江戸時代の寛政異学の禁から、今回の一件を考えてみた。 読売新聞オンライン

          安土城天主も江戸城天守も再建できないワケ

           織田信長(1534〜82)の安土城(国の特別名勝)の天主復元を検討してきた滋賀県の三日月知事が建物の復元を見送る方針を明らかにした。年内に正式方針を決めるが、デジタル技術を用いた「再現」となる見通しだ。詳しい史料がなく、現時点では史実に忠実に復元することが難しいためだ。 4案の中から選ばれたデジタル化 滋賀県は2026年の築城450年祭に向け「目に見える形」での復元を目指し、①現地(安土城址)に「復元」②一部を変更する「復元的整備」③安土城址と別の場所に「再現」④デジタル

          『麒麟がくる』に反映された「上杉本洛中洛外図屏風」の謎解き

           京都市中(洛中)と郊外(洛外)のパノラマ景観を描いた洛中洛外図屏風の中でも最高傑作とされる「上杉本」(国宝、米沢市上杉博物館所蔵)が、上野の東京国立博物館で開催中の特別展「桃山―天下人の100年」に出品されている。  70点を超える洛中洛外図屏風のなかでも初期の作品で、狩野永徳かのうえいとく(1543~90)が描き、天正2年(1574)に織田信長(1534~82)が上杉謙信(1530~78)に贈ったとされる名品だ。  永徳に屏風を発注した人物は誰が、何のために描かれたの

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          よみうりカルチャーオンライン講座2回目「パンデミックと日本史」配信開始

          拙書「今につながる日本史」をもとに、よみうりカルチャーでオンライン講座を始めました。講座の内容を動画でご紹介しています。2回目は「パンデミックと日本史」です。詳しくは https://www.ync.ne.jp/contents/2020/10/_129.php をご覧ください。

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          鬼滅の刃と日本神話 2つの“聖地”の共通点とは

           人気漫画『鬼滅の刃』のコミック累計発行部数が電子版を含めて1億部を突破した。「週刊少年ジャンプ」の連載はすでに終了しているが、人気は依然衰えず、劇場版の映画も公開され、異例の人気となっている。  物語の舞台は多くが不明だが、『鬼滅』ファンは主人公の少年、竈門炭治郎(かまどたんじろう)と同じ名前の神社などをゆかりの地に見立てて“聖地巡礼”に訪れている。  これらの“聖地”の由来をたどっていくと、『鬼滅』と日本神話のつながりが浮かび上がってくる。 読売新聞オンラインのコラ

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          国勢調査100年 初回は平家の落人集落が見つかった!

          国勢調査が大正9年(1920)の第1回調査以来、100 年の節目を迎えた。10月7日に回答期限を迎えた今回の調査は新型コロナの影響でインターネットによる回答が推奨されたが、回答率が低く、回答期限が20日まで延期された。  回答しない世帯には調査員が訪れ、虚偽の回答をすると罰金が科せられることもある。インターネットによる回答は思ったより簡単なので、早く済ませることをお勧めしたい。 遅れに遅れた第1回調査 国勢調査は“Population Census”の訳で、「国の勢い」で

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          半沢直樹と白洲次郎に共通する行動原理「プリンシプル」

          堺雅人さん主演のTBS系日曜劇場「半沢直樹」が終了した。最終回の世帯平均視聴率は32.7%と、令和になって最高を記録したという。「半沢ロス」に陥りながら書いたコラム本文は、ちょっと独りよがりかも知れない。SNS上には結構同じ意見があって、ちょっとほっとしたが...。 読売新聞オンラインのコラム本文 ↑読売新聞オンラインに読者登録するとお読みになれます  ドラマ後半で描かれた「帝国航空」の再建計画をめぐる話は、2009年に民主党の前原誠司・国土交通相が「JAL再生タスクフ

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          『麒麟がくる』でようやく汚名を晴らせるか 松永弾正久秀「三大悪行」の誤解

           再開後のNHK大河ドラマ『麒麟がくる』で、吉田鋼太郎さんが演じる松永久秀(1508〜77)のこれまでの「梟雄」のイメージが大きく変わりつつある。  9月20日放送回では向井理さんが演じる足利13代将軍義輝(1536〜65)が、永禄8年(1565)に三好三人衆らに殺害されるクーデター「永禄の変」が描かれた。しかし、これまでの大河ドラマのように、久秀を将軍義輝暗殺の首謀者として描かなかった。 義輝が暗殺された後に滝藤賢一さんが演じる義輝の弟の覚慶(足利義昭、1537〜97)

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          新首相の地元、秋田藩がかつて失敗した経済政策とは

          安倍首相が持病の悪化で退任し、菅内閣が発足した。秋田県出身者では初の首相で、地元(菅氏の選挙区ではないが)は盛り上がっている。  菅氏は農家に生まれ、地方議員からたたき上げで首相に上り詰めた苦労人だ。親の選挙地盤を引き継ぐ世襲議員が目立つ昨今だが、菅氏には地方の振興に力を入れ、庶民に向き合う政治を期待したい。 読売新聞オンラインのコラム本文 ↑読売新聞オンラインに読者登録するとお読みになれます  だが、生まれながらに選挙地盤を持つ“地方の殿様”では庶民の気持ちは分から

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