maruyamajunko

maruyamajunko

最近の記事

「身体」

 7月からBankART1929 が運営しているR16スタジオを借りて、制作することになった。Online上でベルリンのレジデンスプログラムに引き続き参加することになったのである。  R16スタジオというのは、もともと空き地だったスペースをBankARTが横浜市から借りた、30平米程の区間が10個ほど連なっているスタジオである。天井の高い空間に併せて特徴的な空間構成に、外からの風が絶えず出入りし、とても気持ちが良い。半分外であるため、天気の影響をもろに受けるものの、普段の室内

    • 「移動」

       普段身の回りの素材で作品を作るという方法を行なっているので、生活と制作が一連の流れになっていたりする。だから外国で制作する場合も基本的には同じはずであるが、様々な理由でどうしても日本でしか手に入らないものや、現地で制作することが困難だと思われるものがある。今回の渡航はいつもに増して、郵送物が多かった。  5月中旬、2月末に山梨から船便で送った荷物がベルリンの税関に届いたと連絡が来た。通常1〜2ヶ月かかるという船便であるが、コロナの影響で荷物の運搬が滞っていた。その間、大量に

      • 「隔離」

         帰国してからは、2週間主に自宅兼アトリエで自主隔離を行った。私のアトリエは、制作場所の他に、生活にまつわる活動を行う3畳ほどのスペースが付いている。この狭いスペースに一人でいると、妄想と現実の区別がなかなか難しくなってくる。携帯で情報集めをしていると、文字が口を持ち始め、体を持ち、私に向かって話しかけてくるように感じた。また、日中に体験談や日々のメモを書いていると、目がトロンとして、白昼夢を見ているように感じた。空想の中の自分の動作は、温度や感覚を確かに伴っているので、自分

        • 「距離」

          数年前からドイツで長期研修できないか考えはじめ、いくつもの山あり谷あり、今年の3月15日から助成を受け、ベルリンで滞在制作できることになった。2つあるうちの最後の助成金の結果が出たのが3月の頭で、その日にトータルでの滞在期間が1年半ということが確定した。お世話になっている方々に頑張って行ってこいと送りだしていただき、3月15日にYcatから成田行きのバスに乗った。ちょうどコロナが騒ぎ出していた頃だった。 ベルリンまでは、格安LCC券を購入し、アブダビとベルグラードを経由す