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140字で映画はどこまでかたれるか。

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タイトルの通り、筆者が観た映画の回想録です。鑑賞環境は映画館の新作を中心にしていますが、基本的にはあまり拘りません。字数制限の都合上、警告なしでネタバレとなる場合もあるので注意。
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2019年10月の記事一覧

「アス」(2019)は自己同一性の揺らぎに乗じた不安を描くホラー映画である。強引な謎解き設定や突然コメディ展開になるなど意味不明な部分も無くはないが、概ね恐ろしい映画だと言って良いだろう。変な映画が見たいときにはうってつけの映画である。

山本倫生
4年前

「ロング・ウェイ・ノース-地球のてっぺん」(2015)は遅れてやって来た冒険ファンタジーアニメ映画の傑作である。嘘のようなホントあるいは本当のようなウソでドキドキしたい観客はこの映画を見なければならない。ファンタジーの中の苦い現実が隠し味となって素晴らしい効果をあげている。

山本倫生
4年前
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「ヴァイオレット・エヴァーガーデン外伝-永遠と自動手記人形」(2019)は同名テレビアニメの劇場版である。原作の短編小説を基に加えられたオリジナルの展開が蛇足以外の何物でもなく、冗長で退屈な長編となってしまっている。ファンタジーを不得手とする京アニの特徴が出た残念なアニメ映画だ。

山本倫生
4年前

「Hello world」(2019)は徹底的に主体性を持たない無気力少年の自分探しを描く映画である。世界の真実を告げられてもまるで動じることのない主人公のキャラクターは無気力というより無知性とでもいうべきもので、我々が知るどの映画とも似ていない点では評価できる(の)かもしれない

山本倫生
4年前
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「ジョーカー」(2019)は、内外に問題を抱えた、心優しいひとりの青年を追った鬼気迫る悲劇である。一本の映画として見るならそれでも十分であろうが「コミックブックの悪役(ヴィラン)映画」としては、不適切で不誠実な作品であり「漫画でそんなにマジになるなよ」と一笑にふすべき駄作である。

山本倫生
4年前
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