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経営者と高級車

つい先日、10年以上乗った自動車のエンジンが掛からなくなった。
治せば乗れると思うが、廃車にすることにした。
このタイミングを逃すと、この車と別れるタイミングを失う気がしたからだ。
今回は「車」について書き綴っていく。
(会社の社用車ではなく、個人の乗用車の話)


車が多くのことを教えてくれた

若い頃、私はスポーツカーが大好きだった。
もちろん、主要なところは一通り改造した。

サスペンション、ショックアブソーバーからはじまり、ステアリング、スポーツシートと続く。
マフラー、エギゾーストマニホールド、コンピュータまで手を出し、最後はリミテッドスリップデフやフライホイールにまで手を入れた。

サーキットで車を走らせると、いろいろなことが分かる。
また、タイムを縮めるためには、いろいろなことを勉強する必要がある。

特にブレーキングは奥が深い。
速度を落とすためにブレーキを踏むだけではなく、車の姿勢を調整するためにもブレーキが使われる。
フロントタイヤに重心を集めてコーナーを曲がるわけだが、重心を前に落とし過ぎるとリアタイヤが浮いてしまう。
また、前後の重心バランスだけでなく、深いコーナーでは左右の重心バランスも重要になってくる。
地味な練習を繰り返して、運転の感覚を身につけていく必要がある。

車の構造、機構についても理解する必要がある。
足回りの仕組み、動き方。
エンジンの回転数とパワー出力の特性。
ギヤとエンジン回転数の相関関係なども重要になってくる。

理系の人に車好きが多いのは、こういったことが原因なのではないかと思う。

私は車を通して、機械工学や物理工学の楽しさに触れた。
また、車について考えることで、論理的な思考能力が高まった気がしている。

はじめて高級車を買った時

最初の会社をはじめて5年ほど経った頃。
接待や経営者同士の集まりなどのため、車に人を乗せる機会が多かった。
所属団体のイベント等で遠距離運転をすることも多かった。
そこで、はじめて「乗っていて快適な車」というものを買うことにした。

高級セダンは運転していても全く楽しくない。
しかし、足回りの硬いスポーツカーに人を乗せるわけにもいかない。
私はこれをきっかけにスポーツカーから離れてしまった。

ちなみに、この車は本当に役に立った。
いろいろな人と一緒に乗り、いろいろな話をした。
ここで話したことが会社の経営に役立つことも多かった。

ちなみに、この車は5年で10万キロ乗った。
その後もしばらく乗り続けていたが、人を乗せる機会が少なくなってきたこともあり、手放すことにした。

今回廃車にした車を買った時

30歳の時、いわゆる「高級外車」というものに手を出した。
30歳まで経営者として生き残れたことを祝って、自己満足全開で二人乗りのオープンカーを購入した。
それが、今回廃車にした車だ。

納車されて1カ月もするとワクワク感は無くなった。
長く乗る内に、日本車ではありえない部分が故障することもあった。
二人乗りで車内は狭い。
トランクの容量も少ない。
残念なことも多かったが、結果としては10年以上も所有することになった。

最高の車との出会い

私は複数の会社を経営しているため、車に乗せる荷物も複数社分有る。
スタッフが休みの週末にイベント関係等の仕事が発生した場合、私自身が荷物を積んで出張することもある。
そのため「荷物をたくさん積めて」「積みっぱなしにできる車」が欲しくなった。

そこで軽バンを買うことにした。
社用車として買うほど、仕事での利用頻度は高くない。
私以外のスタッフが使うこともない。
だから、個人所有のセカンドカーとして軽バンが一台あれば十分だと考えた。

乗ってみると、軽バンは最高だった。
二人乗り仕様にしてしまえば、荷物は十分に積める。
個人所有の車なので、荷物を積んだままでも、誰も文句を言わない。
小さくて、どんな駐車場にも対応できる。
周囲の視認性も良くて、前向き駐車をしても苦にならない。
キズつけられなそうな駐車スペースに対して、神経質になることもない。

あまりの快適性のため、いつの間にか軽バンに乗ることの方が多くなった。
今では、95%以上は、軽バンに乗って移動している。
私用も仕事もこれ一台。
何かの洗剤のキャッチフレーズみたいだが、本当に圧倒的な汎用性だ。

ちなみに、今乗っている軽バンは、二代目。
数年前、古い軽バンを廃車にして、新しい軽バンを買った。
完全に、軽バン無しでは生きていけない体になった。

結局、車なんていうものは…

軽バンに乗ることばかりになって、今回廃車にした車に乗ることはめっきり減った。
休みの日の中で、月に1回、2回程度だ。

そういった理由もあって、今回「高級外車」を廃車にすることにした。
愛着はとても強い。
しかし、殆ど乗らない。
非情な決断かもしれないが、仕方ない。

結局、車なんて言うものは、自分の生活スタイルに合ったものが最高だ。
今の私は、軽バン一台でどこへでも行く。
医療法人の理事長ですら、軽バンのナビシートに乗せて運ぶ。
高回転の騒がしいエンジン音のおかげで、自然と大声になり、話が盛り上がって良いくらいだ。

高級スポーツカーに興味はないといったら噓になるが、買っても殆ど乗らないだろう。
いつか、仕事に興味がなくなって引退したら、ポルシェ911でも買おうと密かに思うくらいで丁度良い。

自動車整備会社を経営している後輩とのLINE


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