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経営者の基盤

先日、久しぶりに仕事に関しての相談があった。
溶接工として一人で会社を営んでいる後輩(以下、U君)だ。
前回は、農業分野への進出の相談。
今回は、軽トラの荷台を開発し、販売するという事業の相談。
彼は今、「経営者としての基盤」が揺らいでいると感じた。
今回は、この点について書き綴っていく。

基盤が揺らいだ経営者

経営者の基盤は、間違いなく「会社」だ。
メンタル的な基盤については「家族」だと言う人も多いと思う。
しかし、経営者にとっての「会社」は、フィジカルもメンタルも含めて、生きていくことの「基盤」そのものだ。

基盤が揺らぐと、メンタルが揺らぐ。
金銭的な問題から、さらにメンタルがブレる。
やがて、自律神経を痛め、睡眠の質が低下する。
そして、フィジカル面も崩れ始める。

逆もある。
基盤がしっかりとした経営者は「家庭」もしっかりしていることが多い。
信頼できる基盤は、心に余裕をもたらす。
これは、全てのことに影響が出る。

――― まさに、経営者の基盤は「会社」だ

殆どの経営者は、それを自覚していると思う。

会社をはじめた頃は、基盤などない。
いち早く基盤をつくろうと必死になる。

一度、基盤ができたからと言って、油断はならない。
その基盤が揺らがないように、日々、必死になる。

基盤が揺らぐとどうなるか?

以下、よくある例だ。

・マルチ商法団体に入る
・副業をはじめる
・新事業をはじめる
・何かの代理店になる

個人の場合、マルチや副業が多い。
法人で年商数千万程度に達すると、マルチや副業では焼け石に水。
新事業や代理店に進むケースが多い。

U君の場合、話を聞いた限り、副業、新事業の中間的な位置で新しいことをはじめた。
おそらく、心中は…

1.本業が伸びない
2.壁を突き抜ける方法が分からない
3.従業員を雇う(事業規模の拡大)のが怖い
4.隣の芝が青く見える
5.もっと金を稼ぎたい

こんなところだろう。

U君は、悪くない。
おそらく、多くの経営者は同じ気持ちになったことがあると思う。
私は、何度もある。

問題はここからだ。

――― 中途半端は、逆効果

ここに尽きる。

新しいことをはじめるのであれば、まずは一つ目の基盤をしっかりと固めた方が良い。
新しいことをはじめるというのは、かなりのエネルギーが必要になる。
中途半端なエネルギーでは、基盤を固めるところまで、進めない。

もちろん、現在の本業を破棄するという選択もある。
しかし、この場合は、全力で新事業へエネルギーを投入した方が良い。
中途半端にエネルギーを分散すると、両方とも落とす。

まずは一つの基盤を持つ

経営者にとって、まずは一つの基盤を持つということが重要だ。

・正体不明の不安の解消
・他人への思いやり
・自由で豊かな人付き合い
・新しい事への挑戦

こういったことは、自身の基盤への信頼から来るものだと思う。

経営者が持つ決算書・賃借対照表(バランスシート)で言うところの「利益剰余金」という項目。
これが、基盤の固さを分かりやすく数値化したものだ。


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