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税理士と経営コンサルタント

ある税理士YouTuberの動画を見て、違和感を感じたことがある。
税理士が経営コンサルタントについて言及する動画だ。
今回は、その動画を見て感じた違和感について書き綴っていく。

税理士YouTuberの発言について

その税理士YouTuberは、基本的に「当たり前のこと」しか言っていない。
7~8割は私にとって「当たり前」として認識している既知の情報を配信している。(初心者向け)
しかし、残り2~3割の未知の情報は、役に立つ。
そして、大変有難い。
やはり、税理士は税務に詳しい。

その税理士YouTuberは最近、「税務」ではなく「経営」についての話をすることが増えてきた。(おそらくネタ切れ)
税理士の業務に関係ない話が増えた。
そして、その「経営」の話は、経営コンサルタントへの言及に繋がった。

税理士YouTuber曰く。
「経営コンサルタントは、実際に会社を経営する体験をしていないので、経営に関するコンサルティングができるわけがない」
と言った内容。

たしかに、一理ある。
しかし、違和感もある。

――― 経営のコンサルも行う(と謡う)税理士も一緒では?

該当のYouTuberは、税理士兼経営者だ。
しかし、それは経営コンサルタントであっても同じだ。
どの会社、どんな業種であっても、代表者は経営者なのだから。
しかし、その会社に所属する他の人は、経営者ではない。

さらに、該当のYouTuberは、別の会社で別の事業をしているらしい。
しかし、これもまた経営コンサルタントであっても同じだ。
経営コンサルタントの会社が別の事業をしていることだってある。

――― 税理士も経営コンサルタントも条件は同じだ。

ちなみに、税理士の人は投資系事業(太陽光、不動産等)を行うケースが多いと思う。
多く人を使う業種、事業は、苦手な人が多いのではないかと推測している。

税理士の特徴と使い方

私の周りには税理士がたくさんいる。
その中で「経営コンサルタント」を業務として行っているのは2名だけ。
その2名の会社は、士業の資格を持つ人材が総合的に集まっている会社だ。
今は屋号として「税理士事務所」を名乗っていない。

その2名を除けば、他の税理士は「普通」の税理士だ。
経営コンサルティングなど、行っていない。

そもそも、税理士が「経営コンサルタント」を兼務しているという世間一般のイメージが大間違いだ。
税理士に経営のことを相談しても、反応は薄い。
当然だ。
税理士は、税務のプロであって、経営のプロとは限らない。

税理士には、会計や税務に関わること以外を期待してはいけない。
期待するのであれば「普通」以上のことを提供する税理士を選ぶべきだ。

特に、TKCなどの団体へ加入したり、多くの顧客を持つ税理士事務所は、多くの情報を持っている。
例えば、各科目の経費比率に関して、自社と他社(統計結果)を比較した情報を出してくれたりする。
より精度の高い情報として、同業他社(統計結果)と比較することもできる。
ただし、これは「経営者が税理士を上手く使えば」の話だ。
「普通」の税理士は、自発的にそこまでのことをしない。

経営コンサルタントの特徴と使い方

以前に他の記事でも書いたが、経営コンサルタントは、経営のプロであるとは限らない。
しかし、各自得意分野を持っていて、その分野の知識やノウハウをしっかりと持っている経営コンサルタントもいる。

私としては「経営コンサルタント」という謡い方が良くないと思う。
例えば、「資金繰り改善コンサルタント」と謡えば、その点に苦戦している人にとって明確な役目として認識される。

「経営コンサルタント」という漠然とした肩書を持つ人へ仕事を依頼する場合、経営者側が漠然とした目標しか持っていないと事故が起きる。
経営コンサルタントへ、苦手分野の仕事をやらせてしまうことになる可能性が高い。
経営コンサルタントと仕事をする時は、契約する前に「専門分野」や「得意分野」を聞くべきだ。

そして、税理士と同様に経営コンサルタントもしっかりと選んで仕事を依頼した方が良い。
「普通」の経営コンサルタントは、自分の得意分野以外の仕事で成果は出せない。

おすすめの税理士、経営コンサルタント

特定の誰かを紹介することはできない。
全ての人にとって、ベストな人が違うからだ。

しかし、一つだけ共通のポイントがある。

――― 一緒に考えてくれること。

これは、簡単なようで難しい。
「型」にはめられることが多い。
そこから外れる顧客は、面倒だと考える人も多い。

私の会社にも当然、顧問税理士がいる。
増資する時、「私個人の貸付金を資本にできないか?」と相談して困らせたことがある。
海外で売上を上げ始め、外貨の電子マネーを扱い始めた時は、正直面倒な顧客だと思ったはずだ。
節税のための投資について、見解が分かれて議論になることもある。
それでも、今日まで一緒にやってきた仲間だと思っている。

私の会社も経営コンサルタントを雇うことがある。
コンサルからの提案ではなく、私の考えた事業アイデアの評価をお願いした時は、かなり驚かれた。
3つのアイデアから、1つに絞りたかった。
しかし、実に鋭い酷評を客観的な目線でしてくれたおかげで無事に1つに絞ることができた。
さらに、いくつかのナイスなアイデアを足してくれた。
彼とは、今でも時々一緒に仕事をしている。

これは、税理士や経営コンサルタントに限った話ではない。
とにかく、一緒に仕事をするプロは、選んだ方が良い。

・事業所の場所が近い
・何となく出会った、知り合った
・そこ以外にパッと思いつかない

こんな浅い理由で一緒に仕事をする人を選ぶのはおすすめしない。
あなたの会社と一緒に仕事をする全ての人の力を足したもの。
それが、あなたの会社の総力だということを忘れてはいけない。


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