左眼の世界

ヨガの世界では、
右の鼻孔から吸って、
左の鼻孔から吐くという
呼吸法があるらしい。  

右側は太陽(陽)。
男性性を表していて、
活発な動きをする。 

左側は月(陰)。
女性性を表して、
静寂と捉えられている。 

チベットヒーリングでは
右眼は男性性を、
左眼は女性性を表すらしい。

性別に関わらず、人は誰しも
男性的な部分も、
女性的な部分も
持ち合わせていると思う。 

それが左右に現れるというのは
とてもおもしろい。

右眼だけで見てごらん、

そう言われて、
左の眼を閉じた。

いつもより少し狭いけど、
なんの違和感もない、
いつも通りの景色。 

なんだ、なにも変わらないじゃない、
期待はずれな気がして、
心の中で、そうつぶやいた。

次は左眼だけで見てみて。

そう言われて、 右の眼を閉じた。

思わず声が出た。
え? 

おどろいた。
景色が狭くて、朧げで、
なんというか、 とても、心許ない。

私の左眼の世界は、
不安気で、拙くて、
危な気で、自信がない。

そんなはずないと、
否定したくなるような
そんな世界だった。 

今見えている世界が、
あなたの女性性だよ、

そう言われて、
不思議なほどに納得した。  

右眼ばかりを頼りに
この世界を見ようとしていた。

行動力、向上心、自己実現、
書き出してみると、
なんとも男性的な世界観。 

そうでないといけないと
思っていた。
強くないと、いけないと
思っていた。 

左眼の世界。 

感受性、柔らかさ、 しなやかさ
受け入れること、 

・・・女性らしさ。

いつの頃からか、
それを感じることに
怖さを覚えていた。

無意識に、
否定していたのかもしれない。

私の左眼の世界。

とても不安で、頼りない、
怖くて前に進めないような、
そんな世界。

でもそんな頼りない世界を
味わってみようと思った。

そんな朧げな世界に
なじんでみようと思えた。 

私の女性性を、
まるごと 受け入れるために。

2020年の最後の挑戦。 

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