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近くのええとこ

梅雨の晴れ間のある日、
友人の誘いを受けて、
大阪城に行ってきた。  

日本のお城にさしたる興味関心がない私は、
どこか旅行に行った際に、
そこが観光スポットだから、
という理由で足を運ぶ、
という程度にしか城を訪れない。 

というわけで、
私にとって旅行ではない場所にある城、
「大阪城」、を訪れたことが実はない。

理由は他にもある。

人が多すぎるのだ。 

お花見やイベントで
大阪城公園と呼ばれるエリアを訪れたときの、
密集してガチャガチャした感覚。
楽しんでいるはずの雰囲気に、
妙な疲労感を覚えて、
その地から離れたくなってしまう。  

今回、久しぶりに
「大阪城公園」というエリアに足を踏み入れて、
 驚いた。 

 気持ちがいい。 

 空が広くて、心地よい。

花のある場所も、
森のエリアも、
芝生だけの空間も、 

 とても丁寧に、手を入れられていた。

そして、もっと驚くことに
人がいなかった。

ジョギングをする人、
お散歩をする子どもとお母さん、
写真を撮りにきている人、

とてもゆったり時が流れていた。

インバウンドが増える前、
普段の大阪城はこんな感じだったんだよ、
大阪の人はここが好きなんだ。
と、友人が教えてくれた。

大都会の真ん中にある自然。
その自然に囲まれた強さの象徴。
大阪の人は、ここが大切なんだろうな、と納得できた。

天守閣から外を見ると、いつも思う。

ここから見える景色が、
全部自分のものだと言われたら、
人は、それをどうしたくなるのだろう。

きれいで、広大なこの景色を、
壊したくなるのだろうか? 

やっぱりそこが大切で、
守りたくなるんじゃないだろうか。
ただ、守る手段が、いろいろだとしても。 

しばらく海外旅行ができなくなって、
身近な国内旅行の需要が上がるだろうと言われている。

たしかにそうだ。
旅行とも呼べないほど近い場所に、
意外ないいところがあった。  

これからしばらく、
自分にとっての、ええとこ を、
見つけたり、増やしたりすることを楽しんでみよう。   

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