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GIVE&TAKE   アダム・グランド著

選んだ理由
ビジネス書として、知人からのお勧めの本として紹介されて購入したのですが、これというタイミングが中々なかったので、楽しみに温めていました。今読む時だと思い、ベストタイミングの今、読んでみることにしました。

①フリーサイクルについて
著書では、フリーサイクルについて書かれているが、今使わないものを必要な人に与えるということについて。ギバーではなく、マッチャーやテイカーも、フリーサイクルではギバーの様に振舞わせているというけったとなった。フリーサイクルの他者志向の仕組みが、自分自身には費用は掛からないが、他の人にとっては潜在的に極めて利益になる事につながる。フリーサイクルのシステムは、貢献と利益を同時になしえている。

②成功するGiverと燃え尽きるGiverについて
Giverの落とし穴について、与えることも度が過ぎると、自分を犠牲にして周りやネットワークのつながりの為に尽くして終わりとなってしまうこともある。では、そうならないためにGiverはどうあるべきか。
成功するGiverは、普通の人達よりも他者重視であるだけでなく、利己的でもある。自己犠牲のタイプのGiverは、他者の利益追求のスコアが高く、自己の利益追求のスコアが低い。このタイプは、病的なまでに他人に尽くす余り、自分自身のニーズを損ねてしまい、自分自身を傷つけてしまう。
ビルゲイツが、世界経済フォーラムで、人間には二つの大きな力があるという。それは、利己心と他人を思いやる心。人は、この二つを掛け合わせて原動力にするとき、もっとも成功出来るのだという。
自己犠牲にしてGiverになると、ボロボロになってしまうが、他者志向になるということは、受け取りより多くを与えても、決して自分の利益を見逃さず、それを指標に「いつ、どこで、どのように、誰に与えるか」を決めることである。他者への関心に自己への関心がかなり結び付けば、Giverは燃え尽きたり火傷したりせずに成功しやすくなる。

③成功への道を切り拓くことについて
他人を蹴落とすことなく自分と周囲の人々に利益を与えることが出来るのが、真のGiverである。私達が人助けをする理由を、心理学者であるロバート・チャルディーニは、純真な利他主義は存在しないという。困っている相手を自己意識に同化させ、相手の中に自分自身を見出す。これが、私達が人助けをする理由であるという。心理学者、ダニエル・バトソンは、人は困っている誰かに共感を覚えると、心から無私無欲に与えると考えている。人には、皆共感する能力があるという。ボランティア活動の百時間ルールについて。年間百時間というのは、週二時間であり、この時間でのボランティアは、大きなパワーを得られながら、疲労感が最も低いという。逆にボランティア活動も百時間を超えると全く意味のないものとなってくる。これが、自己犠牲でのGiverと他者思考でのGiverの違いである。

気付き
翻訳本で、少しとっつきにくさがあったのですが、利点としては、著者が組織心理学者という視点から与えるということについて書かれているので、私自身も近視眼的に自分の事だけではなく、コミュニティーという観点からギバー、テイカー、マッチャーについて考えることが出来た。この中で、フリーサイクルということについて興味を持てましたが、日本でいうメルカリに近いものかも知れない。色々な事をシステム化していくことで、テイカーもギバーになるうる。貢献のシステムを作り出すことでの贈与システム化は、アイディアものだと思う。

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