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フィジビリティの線引きは、感情で決まる

フィジビリティ(実現可能性)。それは、私のようなコミュニケーションプランニングに携わる者に常について回る言葉です。

最近、このフィジビリティというものをどう捉えるべきか、考えを深める機会があったので、noteでとりとめもなく言語化してみようと思います。


フィジビリティの線引きは、自由度の高い提案ほど難しい

「法的・倫理的に問題ない?」
「コストがかかりすぎない?」
「関係各所は協力してくれる?」
・・・

PRや広告を企画すると、「それ本当にできる?」という問いかけに必ず直面します。そして、クリアできる見通しが立っている状況を「フィジビリティがある」と言ったりします。

どんなに企画が面白そうでも、実現できなければ意味がありません。だからこそ、優れたアイデア提案の定義には必ずフィジビリティがあることが含まれているものです。

私はいま、宣伝会議のビジコン「販促コンペ」に取り組んでいますが、トップクリエイター・マーケターの方々で構成された審査員も、このアワードのクライテリアを以下の3点と定義しています。

・リアリティ(本当に人が動くか)
・クリエイティビティ(その手があったか!という驚きがあるか)
・フィジビリティ

※引用:審査委員長の嶋さんの話より
この企画で本当に人が動くか、というリアリティが一番重要。加えて、そのアイデアがあったかと思わせるクリエイティビティ、企画のフィジビリティ(実現可能性)の3点

2018年11月号 販促会議販促会議 企画コンペティション
グランプリ、ゴールド、シルバーはどう選ばれたのか 最終審査会Report
https://mag.sendenkaigi.com/hansoku/201811/compe-hansoku/014571.php


この3指標を、私は以下のような図でざっくりとイメージしていました。

企画のパワーは、3指標の総和で決まる?

しかしこのフィジビリティ、予算が決まっていれば判断しやすいのですが、そうでない提案や公募コンペでは許容ラインが不明確で、プランナーを悩ませるポイントになっています。

試しに販促コンペで、過去に受賞した(=フィジビリティがあると判断された)企画からそのラインを探ろうとしても、飲食サービスのオペレーションに組み込む施策、公道を使った施策、大規模なイベントなど、ハードルが高そうなものもあり見極めがなかなか難しいです。

フィジビリティの線引きが難しいの図


フィジビリティの線引きは、感情で決まる

そんなことを感じつつ取り組むなか、私が通っている養成講座「アートとコピー」で販促コンペの講義があり、フィジビリティの議論になりました。

ここで講師の阿部広太郎さんが話していたのが、フィジビリティは可変であるということでした。

・・・

大きな予算、大変な調整、膨大な作業……そんなハードルを越えるために最も必要なものは、「意地でも完走しよう」「絶対世に出そう」という、プロジェクトに関わる人々のモチベーションの高さである。

そしてモチベーションを高めてくれるのは、「これは面白い!」「やったら話題になる!」そんなワクワクをかき立たせる、優れた企画が持つパワーである。

つまり、企画のパワーが強いほど、フィジビリティの許容ラインは広くなる。

・・・

そして逆に、ワクワクしない企画を読まされると、最初から粗を見つけようという目線になり、無意識に落とす理由を探してしまうのではないか。

「やりたい」よりも「面倒そう」「無駄そう」という思いが勝り、フィジビリティにその責任を委ねようとしてしまうのではないか。

つまり、企画のパワーが弱いほど、フィジビリティの許容ラインも狭くなる、と。

この話、思い当たる節が多すぎて大変納得しました。そして、フィジビリティは「リアリティ」「クリエイティビティ」と同じレイヤーではなく、むしろ「企画のパワー」と不可分の要素であると捉え直すと、より整理された感がありました。

フィジビリティの許容量は、企画のパワーとイコール。
実務でも全く同じことが言えるなぁ・・・

販促コンペで言うと、「飲食のオペレーションに組み込む」「公道を使う」「大規模なイベントを開催する」までは許容ライン・・・ではなく、「ハードルは高いけど、企画が面白いからやり切れるだろう。よし、公道使ってもOK!」ということなのだろうと。

プロジェクトを立案し、押し進めるのって、ものすごい労力がかかります。ワクワクできる企画は、そのエンジンになる。アイデア力って大事ですね。


以上、最近の気付きについてでした。
今回の販促コンペも頑張ります。同じく参加している方、一緒にがんばりましょう!

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Twitter:https://twitter.com/connlumicolo

※掲載内容は私個人の見解によるものです。所属する企業の立場や見解を反映するものではありません

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