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霊能者が語る 妻とのあの世日記 第172回 「死者は忘れた方がいいのか?思い続けた方がいいのか?」

「だいたい、大事な人が亡くなった後の話として。何回忌とかやって故人と残された人の精神的つながりをだんだん絶っていくような感じの手法と、いつまでも故人の大事にしてたものを思い続けて、守り続ける流れとあるけどどっちがいいとかあるん?」
「どちらにしろ、みんな死んだら会えるから気にしない人が多いかも」
「そう言われると生きてる人の問題って感じになるね」
「生きてると、いつ死ぬのかとかいろんなものが失われる恐怖がいつもあるでしょ。その縛りが死んだあとは無いから、生きてる人がどうしようが私は気にしない」
「それは宗教的な縛りのない個人的な意見やろ?」
「そうかもしれないけど、そうじゃないかもしれない」
「まぁ無宗教的な日本人も精霊信仰的な神道とか昔からある仏教の影響は無意識に受けてるしね。それに昔キリスト教に入ってたりしたじゃん」
「そういう影響はあるけど、別に煉獄に入ったり復活を願ったりしてないし」
「そういう宗教的な縛りがあると、生きてる人からお経唱えられるのはなんかいい気分なのかね?」
「そりゃ残された人たちが自分のことを思って集まって、わざわざお経とかお坊さんとか呼んでくれてるわけだから嬉しいじゃない」
「妻に対してそれやったら?」
「あなた本気で私が喜ぶとか思う?」
「いや、絶対違うやろ、とか思いながらやってる気がする」
「そんな、やる側の人が信じてないようなことしてほしくないわよ」
「そうなると、結局、故人が信仰してたものと残されたものの宗教観が一致してないと不幸になるんかね?」
「別に死んだあとに、たとえば私のことを思って実家で3回忌とかやったとしても、それは素直に嬉しいと受け取っておくわよ」
「でも、僕がやるとダメなん」
「やる人が信仰してない方法でやっても違和感あるでしょ。あなたの場合は普通に祈るなりなんなりしてる程度でいいのよ」
「その辺は結局、故人と残された人同士の関係性によるってことなんかね。たとえば、日本の実家には仏教の親がいて、海外で結婚したキリスト教の子がいて、海外で亡くなってしまった方を実家に連れ帰って墓に納める際に、仏教的な手法で粛々と進めていった場合は子供から「やめろや」とかメッセージくるんかね?」
「その子供という人が結婚して向こうで家族がいるならそういう気分になるでしょう。でもこの設定だと結婚したあと離婚してる感じに見えるけど」
「ああ、設定では結婚してクリスチャンになったけど、その後離婚した後に病死したという設定」
「そんなの先に言わないとわからないわよ」
「この設定の場合は、親の方が優先されるけど、もしも結婚が続いてて向こうにクリスチャンの家族がいた場合は、そちらの方で埋葬された方がいいんかね」
「故人を一番大事に思ってる人にところ、に収まるのが一番じゃないの」
「海外で全く幸せではなく、馬車馬のように働いて妻子に馬鹿にされて、それでも病気になっても頑張って仕事して結果なくなった、とかは?」
「それだけ頑張りたい理由が家族のため、だったら妻と子供の近くで埋葬されたほうがいいんじゃないの?」
「これは拡大解釈的に思いついたけど、奴隷の場合はどうなんかね?奴隷のように過酷な労働で死んだ場合は、主人の方の埋葬方法で受け入れていくのかね?」
「家族関係ないじゃない」
「その奴隷は家族から引き離されて連れてこられた場合は、家族のもとで家族の宗教で埋葬されないと恨んで出てきそうな気がしないかね?」
「奴隷って言ってるけど、これが結婚した相手、義実家の墓に入るか入らないかだったり他のパターンも想定しての質問ね」
「まぁね、この場合は元の家族が故人が亡くなったことに気づいてなかったりすると、葬儀も何もない状態で勝手に今関係してる家でやられてしまうけど。その場合どうなんってことね」
「義実家というか、そちらで埋葬された方法で問題ないと思うわよ」
「奴隷の場合はその辺に埋められた程度でも問題ないと」
「死んだ後はみんな同じだもの」
「そう考えると、葬儀をするとか覚えておくとか、法事とか必要なのかという話になるよね」
「だから、そういう概念があるならそれやったほうが残された人も安心するでしょうということよ」
「尊厳なく埋められても、忘れ去られないように法事のようなことを続けられてても、故人のために残されたものを大事にしていても、どれでも死者にはあまり影響ないということかね」
「死んだ後は気にしないけど、生きてる側の人のことは気にするわ」
「じゃあ、故人のことを思い続けて、めぞん一刻の主人公とヒロインと故人の旦那のような関係の場合はどういう感じなんかね?」
「漫画の話じゃない」
「そういうツッコミはなし」
「惣一郎さんはどう思ってるかってこと?気にしてないんじゃない?」
「すらっと名前出てきたね」
「読んでたから」
「僕は実はちゃんと読んでないんだよね」
「読んでから質問してきなさい」


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