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霊能者が語る 妻とのあの世日記 第158回 「新しいトースターの性能が良い情報はあの世と共有できるのか?」

「こないだカードのポイントでもらえる商品券で、使い道が特にないので新しいトースター買ったら、それがめちゃめちゃ良い感じでね」
「家にあるのは使ってないの?」
「あれ壊れてるやん。置き方変えたら使えなくなったので、現在捨てようかと思ってるとこやが」
「あれ私の結婚前から使ってたやつなのに」
「今時ないよね、ケーキ焼けるサイズの電気トースターというのも。
いや、もう3年くらい使ってないから多分動かさない方がいいのではないかと思うし」
「30年ものくらいのやつだものね。それで、新しいトースターの性能がいいと私となに関係あるの?」
「アラジンの2枚焼きトースター買ったんやけど、唐揚げとかコロッケ温め直すと、めちゃめちゃ揚げたて感になってうまいんやがね。
キッチンペーパーを敷いて焼くやり方よりいいし。
あとパンも水で濡らさなくてもいい感じだが」
「それはいいわね」
「これなら丸福の唐揚げもいつでも揚げたてで食えたかもしれんのにね」
「生きてるうちに知りたかったわ」
「で、たとえばこれで僕がこの世で「唐揚げうめー!」とか思うじゃん。
すると、そっちでアラジントースターを手に入れて、そっちでも「唐揚げうめー」とか妻も感じることができるのかね?って話」
「無理よあなたがうめーとか言ってる時点ではそれが私のとこに来てないし」
「じゃあ、アラジントースターの性能を知らずに死んでしまうと、その恩恵に預かれないわけか」
「だって、江戸時代に亡くなった人がスマホのマップ見ながらあの世で散策してると思う?」
「想像はしたくないね」
「その人が生きた時代に経験したものが基本よ」
「そうなると、最新のバイクとかの性能を知ってないと、死んだ時に経験がアップデートされてないといつまでも昭和なバイクか平成なバイクしかあの世でのれんのかいな」
「生きてる人がイメージ送ってくれたら乗れるわよ」
「そうなると、ひいじいちゃんにいきなりアラジンのトースターとか送るイメージしたら、あの世で使ってくれるのかね?」
「使い方がわかるなら使うんじゃないの?そもそも必要はないと思うけど」
「なんで」
「最適な焼き加減をいつでも再現できるなら、機械に頼らないで焚き火でも炭火でも可能じゃない」
「確かに」
「機械に頼らないとものが焼けない、作れない、と思ってる人には必要かもしれないけど全部自分で作ってきた世代だと必要ないと思うわ」
「そうなると、ご飯は炊飯器でしか炊いたことがない人は、死んだ後は炊飯器がないとご飯食べられんわけか。しかもメーカーごとに味違うし」
「そうなるわね」
「ん?ならこちらからアラジンオーブントースターを妻のとこに送れば、そっちで使えるやん」
「それやってくれるなら可能よね」
「でも、冷えた唐揚げとかあるん?」
「いつでもできたて、焼きたてよ」
「オーブン必要ないやん」
「ないわね」
「なら、意味ないやん」
「そうね」

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