見出し画像

まちづくり事業の中心、「空き家リノベーション」の話

 こんにちは、鳥取銀行という地方銀行に勤務しながら、まちづくり会社である株式会社まるにわを経営している齋藤浩文です。
 今回は、まちづくり会社である株式会社まるにわの主幹事業である、「空き家リノベーション」について書きたいと思います。


リノベーションスクール参加から始まったパラレルワーク

 銀行員として新卒入行から7年程度が立った2014年ごろ、リノベーションスクールに参加したことをきっかけに、リノベーションまちづくりに関与することとなりました。最初は、一般社団法人まるにわという会社を作り、遊休地となっていた鳥取大丸(現:丸由百貨店)屋上の場所づくりプロジェクトから始まった活動です。

 鳥取駅前で色々と活動をしていると、今度は駅前の5階建てビルの活用相談をいただきました。相続された築60年超のビルに関するご相談だったため、オーナーさんに寄り添いながら、銀行員の職能も少し使って資産コンサルのようなことをさせていただき、結果として「Marching bldg.」と名付けたシェアハウスとワークプレイスにリノベーションをして活用させていただいております。遊休資産を保有されている物件オーナーと、利活用したいと考えている事業者(居住者)の間に立って事業性を構築する、というこの時の作業が自分の経験値をだいぶ上げてくれたと思います。このあたりのお話は色々と語りたいこともあるのですが、またの機会にと思います(LIFULL HOME'Sさんが上手に取材いていただいてますので、とりあえずそれを貼っておきます。

https://www.homes.co.jp/cont/press/reform/reform_01345/

勝手連的にまちづくりをしていたら、中心市街地活性化協議会のプロジェクトマネージャーにしてもらう

 そんなこんなで、地方銀行員をやっていた僕が、気がついたら株式会社を作り、自分の銀行から融資を受けたり、まちづくりファンドから出資を受けたりして、なんとなく複業生活が始まってしまいました。その中心事例が「Marching bldg.」となるのですが、民間でリスクをとって勝手にまちづくり事業を始めていたら、今度は、鳥取市中心市街地活性化協議会からプロジェクトマネージャーを引き受けてくれないかとお話をいただいたのです。
 よくわからないけど声をかけられたら「はい」か「YES」で答えろ!と教えられていた僕らは、快くお引き受けさせていただくこととなったのです。

 協議会の今までの文脈は全くフォローせずで申し訳ないのですが、プロジェクトマネージャーとしては就任(2021年12月)以来、①遊休不動産のデータベース化 ②事業プレーヤー創出 ③エリアリノベーション推進という3軸で活動をさせていただいております。

空き家を考えるイベント「空き家の”あ”」を開催

 そんな流れでまちづくりの活動をしている我々ですが、昨日は鳥取大学さんと一緒に取り組んでいるプロジェクトに関連し、「空き家の”あ”〜アタマから空き家を考えるセミナー〜」をMarching bldg.のイベントスペース(コワーキングスペース)で開催しました。

セミナーは全3回、昨日はその1回目
Marching bldg.で開催された様子、空き家に興味のある「はじめまして」の方もちらほら

昨日のゲストは下記の2名

  • 濱川 康夫さん(漁師ときどき司法書士)

  • 吉野和泰さん(鳥取大学工学部助教)

 濱川さんは鳥取県の中部、倉吉市で司法書士をされている方です。僕は何度か勉強会やセミナー等をご一緒させていただく機会があるのですが、その肩書の通り、漁師やリノベーション事業(ご自身でも雑居ビルを購入し飲み屋街を再生)などバイタリティ溢れすぎている先生らしくない先生。
昨日は「空き家三年価値半減!〜相続登記義務化の法改正を踏まえて〜」というタイトルでお話いただきました。今年4月より相続登記の義務化が始まり、長年続く空き家の所有者不明問題に光明が見えてくるというお話と、とはいえ「空き家は3年(早めに)でどうするか判断をした方がいい」というお話を法律に照らし合わせながらお話いただきました。

 一方の鳥取大学の吉野先生は「はじめまして」だったのですが、若干27歳ながら、博士課程等で培われた知識とアカデミックだけではない人間的な魅力をお持ちの研究者および実践者さんでした。
 パリや京都におけるまちづくりの経験を元に、「仕組みのデザイン」と「プロセスデザイン」について解説いただきました。「プロセスデザイン」については、王道とも言える課題解決型のアプローチではなく、ビジョンドリブンなアプローチ手法をご紹介いただき、まさに今我々が取り組んでいる内容でもあるので、背中を押された気分でした。また「仕組みのデザイン」においては兵庫県の龍野町の事例から、事業スキームの特徴を解説いただきました。なるほど、やはりまちづくり事業会社の設立と、特徴的なファイナンス手法があるな、、と、大変勉強になる時間でした。

 ゲスト陣とは、オフィシャルの懇親会終了後も、もう一軒行って(久々の深夜の仙味楼)、本音トークで大変楽しく実のある夜となりました。

 おかげさまで今日の朝は久々重た目の二日酔いと胃もたれが、、
しかしそれを上回る良い時間を過ごせたと思います。

 株式会社まるにわの主事業とも言える「空き家リノベーション」について、これから向かっていくべき方向に悩むことが多い最近であるわけですが、昨日はお酒の力も重なって、進んでいく方向がすこ〜し見えたような、そんな夜となりました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?