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【非認知能力を育む】けん玉遊び。

昔から子どもたちに人気がある「けん玉」
ここ数年は世界中で人気が高まり、再び注目を集めています。

ある保育園では一年前から本格的にけん玉を遊びの中に取り入れていました。
一年前の4月はまだけん玉に触れたことさえなかった子どもたちが、
けん玉の技や検定を通してそれぞれが目標を持つようになり、一年を通してけん玉に取り組んできました。
卒園する頃には、できなかった技ができるようになったり、"もしかめ"がより多くの回数できるようになったり、中には日本けん玉協会が定めるけん玉検定の級の技ができるようになった子もいて、
その過程を見てきた私は、子どもたちが夢中になって努力する姿に感銘を受けました。

別の保育園では、子どもがいつでもしたい時にけん玉を手に取って遊べるよう保育室に「けん玉コーナー」を常設していました。
また、日本けん玉協会が定めるけん玉検定を模倣したけん玉検定を週に一度行っていました。
もちろん全員がやらなくてはいけないものではありませんが、目指すところが明確な方が、子どもは“やりたい”と、主体的に取り組めると思います。

このように集中力やバランス力を養うなどの教育的視点から、けん玉を遊びの中に取り入れている保育園も多いのではないでしょうか。

そこで、私がけん玉をおすすめしたい理由や魅力について、
より深く考えてみようと思い記事にすることにしました。

けん玉の魅力

「楽しい遊び」である。

改めて書く必要はないかもしれませんが、けん玉には人が夢中になれる楽しさがあります。
やらされるのではなく、「好きな遊び」であることが第一です。

難易度の違う技が数多くある。

けん玉には難易度の段階が細かく異なる技がたくさんあります。つまり、子どもそれぞれの段階に合わせて取り組むことができるということです。まずは、けん玉の持ち方から、次は大皿に玉を乗せる、次は小皿、中皿…など。

日本けん玉協会のけん玉検定に沿って段階的に練習できたり、もしかめで回数を伸ばしたりなど、子ども一人ひとりの得意不得意や段階に応じることができます。子どもを見守る大人は、子どもが好きな時に自由にやらせてあげるようにしています。
子どもは段階的に成功と失敗を繰り返しながら、その都度達成感を味わうことができます。

周囲の人との関わりが持てる。

一方で、友だちや大人に、できない技についてアドバイスをもらったり、模倣したり、技を披露したりすることで、周囲の人と関わりながら取り組む遊びでもあります。
これは保育園だけでなく、家庭にも置き換えられると思います。楽しい時間を周りの人と共有することが大事です。 

非認知能力とけん玉

けん玉の魅力を書いていて感じたのが、
けん玉での遊びが、子どもの「非認知能力」を育むためにぴったりな遊びなのではないかということです。

非認知能力とは。

数が数えられる、字が書ける、ものが覚えられる、論理的思考ができるなどといったIQ(知能指数)に代表される「認知能力」ではありません。

認知能力以外の能力を広く示す言葉で、具体的には、
「意欲」「協調性」「忍耐力」「粘り強さ」
「自己肯定感」「計画性」「責任感」「問題解決能力」

など、テストなどで数値化することが難しい個人の内面的なスキルを指します。

人生を豊かにする上でとても大切なものだと言われています。

けん玉を通して育つもの。

けん玉で難しい技ができること、より上の級が合格できること、それだけが全てではありません。
結果ではなく、けん玉に取り組む過程が大切だと思います。
けん玉には、細かく難易度の設定がある技が多くあり、子ども一人ひとりのレベルに合わせて取り組むことができるので、
取り組む子どもは段階的に失敗と成功を繰り返します。
毎日地道に練習を繰り返し、何故できないのか考え、できるようになるまで粘り強く試行錯誤することができます。
成功した時は嬉しいし、周囲の人たちと喜びを共有することもできます。
上手くいかない時もありますがこの挫折が、他の子を応援したり励ましたりする気持ちを育んだりします。

何よりもこういったプロセスを楽しく取り組めるのが良いですね。

非認知能力を育むために、
自分と向き合う、自分を高める、他者と繋がる、
大きく分けてこの三つが大切だと考えていますが、けん玉で遊びながら身につくところも多いと思います。

最後に

今回はけん玉遊びについて、ただの遊びとしてだけではなく、保育士目線(教育的視点)での考えをまとめてみました。保育園や家庭でできる他の遊びでは、ごっこ遊びや積み木遊び、絵本を読み合うなども非認知能力を育むために大切な遊びだと考えています。

遊びについて、たまに深く考えて言語化しておくことで、子どもとの関わり方や言葉かけの質も変わってくると考えています。
自分自身のためにもまた他の遊びについても記事にしていきたいと思います。読者の皆様においても何か気づきがあると嬉しいです。

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