【続編】 保育園の行事について、思うこと。
前回の記事・・・行事は大切だと思います。
一方で、行事中心の保育に違和感があるという思いを書かせていただいています。
今回はその続編ということで、発表会の振り返りとそのあとで思ったことを書いてみました。
少し思いが強くなり、専門的なところまで踏み込んでいる箇所もありますが、最後まで読んでいただけると嬉しいです。
発表会が終わりました。
発表会を終えました。
子どもたちが日々の遊びの中で楽しんだ絵本を題材に、その経験をもとに自由に演じてくれました。
本番の日は、たくさんのお客さんを前にとても緊張していた子どもたちでしたが、立派にやり遂げてくれました。
お客さんが笑ってくれたり、拍手してくれたり、お客さんに観てもらって、「楽しかったー」とすごく嬉しそうな子どもたち。
この達成感がまた一つ子どもたちの成長に繋がったと思うと私も嬉しいです。
保護者の方々からは、
「子どもたちだけで劇をしていてすごい」
「させられているのではなく、子どもたちが主体的に練習に取り組んできた過程がよく伝わった」
「子どもの成長が感じられて良かった」
など、たくさん嬉しい言葉をいただきました。
こんなことを考えて準備しました。
保護者にすごいものを見せるために劇を練習するのでなく、子どもたちが日々の遊びで楽しんだことを劇の中で表現できるようにと考えて劇の構成や練習を組み立てました。例えば、
保育士は必要な部分だけ言葉をかける程度で劇の練習を見守る。
練習も毎日何回も行うのではなく1日一回と決め、無理のないように練習時間を設定する。
などです。
この作戦がうまくいったのかどうかはわかりませんが、
本番まで誰一人嫌がることなく劇遊びに参加してくれて、毎回「楽しい」と言ってくれる子どもたちに救われる思いでした。
行事は続くよ、どこまでも・・・。
劇を終えてホッとしたのも束の間、
次から次へと行事や卒園に向けての製作や練習は続き、子どもも保育士も忙しい日々を過ごしています。
日々の遊びの中で子どもたちは学び、成長をしていると思うのですが、
「一斉保育」な活動は、日本の保育ではなかなか無くならないみたいです。
乳幼児期は毎日たくさん遊ぶこと、
遊びを楽しむ中でいろんなことを身につけたり、学んだりするということ
を重要視するのであれば、
「一斉保育」の製作や活動に力を入れるのではなく、
子どもたちが遊びの中で成長できるような保育の環境を考え、整えることや、遊びの中で子どもがいろんなことに気づき、成長できる機会をつくり、関わり続けることが保育士の必要な役割なのではないかと考えます。
保育園は国が定める保育所保育指針のもとで、各保育園が方針を決め、
保育士は子どもたちの日々の生活や遊び、行事内容などを考え、計画や設定をしたりすると思います。
ただ、保育所保育指針は同じでも
園によって保育内容が異なること本当に多いです。
さらに、同じ園内でも、“同じ方針なのに何か違う”
とクラスごとに多少なりと違いを感じることがあります。
保育内容がその後の子どもたちの成長に与えた影響を検討し、それを保育内容に返していくような仕組みは、なかなか個人または園だけではできないので、保育所保育指針のような国で研究された指針を読み、保育について学び、取り組んでいかないといけないことがまだまだたくさんあるなぁと考えさせられます。
本当に奥深い職業です。
最後に
保育士は、
子どもが好き、優しい、明るい、元気。
そんな単純な職業ではなく、
子どもの人間形成の根っこを育てる、とても大切な役割を担っています。
保育園の役割は時代と共に変化していると思います。
昔は、両親共に働いている家庭が少なく、共働きでも祖父母が面倒を見てくれることが多かったので、保育園は少人数の子どもが必要な時間だけ過ごす場所でした。
しかし今は、子どもを幼い頃から保育園に預けて共働きをする家庭が増えていて、保育園は大人数の子どもが長時間過ごす場所であり、子どもにとって第二の家庭のような場所でもあります。
特別な行事だけが大切なのではなく、日々の楽しい遊びがあるからこその特別な行事であることを、
保育の関係者だけでなく保護者の方々にも情報を共有したり、説明したりすることで理解を深めていただき、より良い保育を実現できればと思っています。
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