保育園の行事について、思うこと。
「行事は誰のためのもの?」とずっと疑問を抱いて保育士を続けてきました。
行事の為に頑張ることって子どものためなのでしょうか。
保護者の方にすごいをものを見せることが良い行事なのでしょうか。
行事ですごいものが見れたら、日々の保育はどんなものでも良いのでしょうか。
日々の業務に追われていると忘れがちになるこのような感覚。
最近ふと思い出すようなエピソードがあり、いい機会でしたのでコラムをつらつらと書いてみました。
何か答えが出ているわけではありませんが、共感したり、同じ悩みあるなどのコメントいただけると励みになります。
保育園行事は必要。
保育園では一年を通して様々な行事があります。
遠足やクリスマス会などは、職員と子どもたちだけで楽しみますが、運動会や発表会などの行事は、保護者の方にも来ていただいています。
行事の本番になるといつも以上の力を発揮したり、子どもの意外な姿が見えることもあって、私自身とても楽しく、とても興味深いです。
子どもたちが保育園で取り組んできたことや、成長した姿を保護者に見てもらい、「すごいね」「かっこいいね」などと言葉をかけてもらって、子どもたちはとても嬉しそうです。
保育士と保護者の皆さんが共有することや、伝え合うことができる良い機会になるので、行事は必要なものなのだと感じます。
ただ、ちょっと疑問もあります。
特に運動会や発表会の前一ヶ月〜二ヶ月は、毎日が練習や製作で、子どもが好きなことをして遊ぶ時間がなかなか作れません。
保護者の方に来てもらうので、尚更ちゃんとしたものにしようと、練習中は指導に力が入る保育士が多いのではないかと思います。
ちゃんとできるまで何回も「やらされる」ことって必要なことなのでしょうか。
「やらされる」のではなく、子どもが「やりたい」と、主体的に取り組める内容だったら良いのになぁと考えます。
例えば、
普段の遊びの中で、子どもたちが取り組んでいることや頑張っていることが行事の一部になれば、練習が遊びの一つになります。
また、保育士が計画的に練習を設定し、練習時間を短縮するなどすれば、子どもが無理なく参加できるのではないかなぁと私は思います。
先に述べたように、行事は必要なものだと思います。
ただ、子ども一人ひとりが主体的に楽しんで参加してもらうために、行事や製作は、子どもや保育士になるべく負担が少ない内容のものに見直した方が良いのではないかと考えています。
一つの行事が終われば次の行事。
なんなら一年中、行事のために仕事しているんじゃないかと思う保育士の人もいるのではないでしょうか。
裏では、保育士が残ったり持ち帰ったりして様々な準備をしています。
保育士も時間に追われる日々で、心にゆとりもなく焦る毎日。
行事の為に頑張ることって子どものためなのでしょうか。
保護者の方にすごいをものを見せることが良い行事なのでしょうか。
行事ですごいものが見れたら、日々の保育はどんなものでも良いのでしょうか。
楽しんでやってくれていることで救われる。
最近は発表会に向けて劇の練習をしています。
劇の題材は、以前子どもたちと読み合った絵本の中から選びました。
選んだ絵本は、積み木で作ったりごっこ遊びをしたり、日常の遊びの中で絵本の世界を十分に楽しんでいるものでした。
昔からあるやりやすいものを劇のために用意するのではなく、
絵本の世界に入り込んで楽しんだものを劇で表現することにしました。
劇の練習は1日一回と決めて、毎日同じ時間帯に短時間で行うようにしています。
ただ、「練習」という言葉を使うので、子どもたちにやらされているという感覚を抱かせていないかと不安に思っています。
そんな不安もあり、先日子どもたちに聞いてみました。
「劇楽しい?」
キラキラとした笑顔で、
「楽しい!」「もう一回やりたい!」
と返ってきました。
劇の練習の様子も誰一人嫌がることなく参加し、役になりきって台詞を言ったり動いたりして、主体的に絵本の世界を表現しようとしてくれています。
子どもが楽しんでやってくれているなら良かった、とホッとしました。
保育園の行事について思うこと。
乳幼児期の遊びはとても大切だと思います。
行事が少ないから、内容が地味だからといった理由で保育の質が低いと決めるのではなく、日々の保育の質を上げるために行事重視の保育を見直すべきではないかなぁと考えます。
これは、保護者の方にも理解いただきたいことだと思います。
例えば、発表会の時に、「子どもたち主体に演出された劇です」とアナウンスを入れるだけでも保護者の方の視点は違ってくるのではないでしょうか。
演劇という評価の中で100点を取るような視点ではなく、子どもたちがどうやって考え、それを発表という形にどのように持っていったのか。
そのようなプロセスを感じていただけるのではないかと考えています。
保育士からすると、行事に追われることなくもっとゆとりを持って子どもと関わりたいと思うこともあります。
行事のためだけじゃなくて、一人ひとりの子どもが伸び伸びと遊んで過ごせるような、遊びの質を重視した保育がしていきたいと思いました。
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