映画の感想・雑記Ⅱ

一つにまとめるつもりだったのに長文すぎたため分けることにした。映画感想 雑記。


◎「ロマンティックじゃない?」2019 / トッド・シュトラウス=シュルソン監督

「ロマンティックじゃない?」日本版予告
https://youtu.be/ZO_QwQ1Xn4I

脱ラブコメでありながらも王道のラブコメ!
「自己肯定感低くて恋愛からも遠ざかってた主人公が、頭打って目覚めたら自分が大嫌いなロマコメ映画の世界に入り込んでしまった」っていうあらすじ。
この手の映画のお約束展開を、イジりながらも忠実になぞっていくのが新鮮で面白い。

ロマコメが好きな人も苦手な人でも、同じポイントで笑えちゃうような新しい現象。その両立を叶えてるのがこの映画のすごいところ!真反対のこの2つの側面があるって結構すごい。
ラブコメ特有の嘘くささ(演出)があっても、主人公の感情が観客側を置いていかないので感情移入できる。

主人公がラストに自分で見つけた答えが、ラブコメ映画史上いちばん好きだったかも。

そして今作の設定が、他作品の「アイフィールプリティ!」にそっくりでビックリしてたら、まさかの同年公開。

「アイ・フィール・プリティ!人生最高のハプニング」日本版予告 https://youtu.be/zmGMudDNo0g

両作とも、自分に自信ない主人公が頭打って、目覚めたら世界が変わってるってやつ。"自己肯定感を高めよう!"って風潮は日本だけじゃないんだなぁと思えた。ただここに関して不満が...


両作の共通点は、"自分自身が一番に自分を愛そう"っていうメッセージ以外にもあって。どちらもポジティブにさせてくれる映画なことには変わりないんだけど、めちゃくちゃ残酷でもあるなと思った。
主人公がどちらも自分を愛せるようになったきっかけが"勘違い"で、それまでいた環境とは"別世界"っていうのが。。

両作とも、主人公には自己肯定感が手に入るような環境が外部パワーにより用意されたわけで、自力でその環境を作ったのではないのが現実世界との大きな差。
なのでこの映画を観て自分も同じようにポジティブになれるかと言ったら正直ウーン...わたしも主人公と同じように頭打って勘違いする世界に行かせてくれ...

だからこの映画のポジティブさを受容するには、そこそこ手遅れになる前に観た方がいいんだろう。私はちょっと手遅れなようだった...苦笑
頭を打たなくても、自分を愛せる映画が出てきてくれたら革命だと思った。そんな映画が観られることを楽しみに待っている!

あと、こういうメッセージの映画の主人公が、スリムではないふくよかな体型の女性っていうのがまた...その分かりやすさも、現実の残酷さの裏付けみたいで。そして、そういう体型の人が演じるものは"コメディタッチ"な作風になりがちというのもなんだかなぁ。その点では、主人公の体型と正反対な人たちにも(声とかの容姿だけでない部分にも)スポットを当ててたアイフィールプリティ、良かったな〜

でもロマンティック〜のロマコメ嫌いの主人公が、元々はロマコメが大好きだったのに幼少から母親にその類を否定され続けて、大人になった主人公も気付けば母親のような価値観になってしまってたっていうところが結構ポイント高い。(誰)

___
ということで、
結局はきっかけが与えられないと簡単には人って変われないよね、という。この映画の感想がそれになってしまったの確実に製作側の意図とはズレてるだろうから複雑、モヤモヤ......
ただ、この映画どちらも好きだし、人にオススメしたくなる素敵な作品であることには変わりないかな!あと両作とも音楽が最高!

#note映画部 #note感想文 #映画レビュー

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