労働生産性について その3
今回で、最終回になるのか!?
それは、最後までのお楽しみです。
というわけで、これまでのその1、その2で労働生産性とはなにか?そして上げるためにはどうすれば良いのかのポイントをまとめてきました。
実際に労働生産性の高い会社は何をしているのか?ということを具体的な事例を見ていきます。
No.1 キーエンス
東証一部上場企業で、TOPIX Core30の構成銘柄の一つです。このTOPIX Core30ってのは、東証一部上場企業の中で30社だけ選ばれ、日経平均株価の指標とされるのです。この30社の株価が下がれば、日本の株式市場に影響が出ちゃうっていうぐらいすごい優良企業なのです。
その中でも平均年収がずば抜けて高いと評判の会社がキーエンスです。
ちなみに、キーエンスの平均年収は2,000万円以上だということです。
やべ、僕の何倍なんだ???
キーエンスの主力商品はセンサです。センサ?
これも、センサといえばそうです。こんなんがホントに高収益なビジネスモデルになるの?
正直、火災報知器では年収2,000万円は稼げません。
では、キーエンスのセンサは何が違うのか?
全く違います。
キーエンスの秘密
世界でキーエンスしか作れないようなセンサだけを作っているのです。特にFA(ファクトリーオートメーション)に関連する分野は、伸び盛りでキーエンスのセンサや画像処理マシンがオートメーションの効率化の一端を担います。
ロボットを使うと言ってもロボットは手を動かすだけで、目隠しされた状態でものをものを扱っているような感じです。そこに目をつけて上げるとより人間と同じように確認しながらの作業になるのです。ロボットですから、人の何倍ものスピードで処理も可能です。
キーエンスは製造業でありながら、販売店を持たずに直接営業を行う。そして、顧客ニーズによっては新しく製品を作ってしまうということをしている。そうなると、顧客は新しいことを使用となるとまずキーエンスに相談することになる。世界でどこにも売っていないものを作って売るのだから、高くても売れる。というか、メーカーなのに受注生産方式で新商品を開発してしまっているのだ。新製品のタネは常に顧客にある。
これは、真似しようと思ってもできない。なぜなら、フロントに立つ営業の質が最も問われるからだ。技術的なことが完璧にわかっていないとならない。特に研究機関を相手にする場合は、自分も研究者以上の知識をみにつける必要がある。でないと、話にならない。誰でも売れるわけではない。だから研究機関に入れるぐらいの人を採用し続けなければならないから必然的に給与水準も高くなる。
やっていることが世界でOnly Oneだから付加価値が世界トップクラスになるというわけです。日本で、平均年収2,000万円というと高いですが、世界規模では割とそれぐらいの企業はあります。それよりも高いところもありますが。
誰にもできないことを徹底的に深めることで、付加価値に対する正当な対価をいただくというのは、労働生産性向上には不可欠です。
同じようなことをしていては、価格競争が起こり、その結果として生産性も下がってくるということです。
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