見出し画像

小室哲哉の引退会見が高次脳機能障害を持つ人へ与えたもの。

小室哲哉の引退会見を見たとき、なんとなく違和感というか、彼への怒りを持ったことを覚えている。
当時は、高次脳機能障害という後遺症とともに頑張って生きているKEIKOへの裏切りに対しての怒りよりも、

・不倫の理由をKEIKOの高次脳機能障害がきっかけかのような発言内容(はっきりと、そう言っていませんが)
・浮気をした旦那の口から高次脳機能障害という後遺症についてはなされたこと

この2つに対して怒りや違和感を感じていたと思う。

そして離婚報道があった今、自分の気持ちを整理してみると、怒りではなく、別な感情だったとわかってしまった。
それと同時に、彼は不貞という罪の他に、別の罪を持ったのではないだろうか、とも。

不倫の理由は、本当に後遺症が原因だったのだろうか。

そもそも、不倫は世間一般的にどんな夫婦でも、どんな状況を抱える人でも起こるものだと思っている。

例えば、生活習慣のずれ、価値観の相違や、セックレスなど、理由は様々だ。
でも、根本的には、相手への愛情が1番ではなくなったからではないだろうか。

ここで、浮気や不倫についてとやかく言うことはない。
だって、別に不倫や浮気について反対してないからだ。かと言って、賛成もしてないけど・・・
私の中で、「人間、心変わりするのは当たり前」と思っているからだ。
他に好きな人が出来ちゃった・・・・まぁ、仕方ないよね。という感じである。
だから、小室哲哉は、単に好きな人が別に出来てしまっただけ。それだけの話である。

あの会見では、「KEIKOの看病に疲れ、病気になった僕を精神的に支え、癒してくれるA子さんに惹かれました。」
これだけで十分だ。

しかし、彼は、


「これもお恥ずかしい話なのですが、今は小学四年生くらいの漢字のドリルをすごく楽しんでやってくれたり、全てがそういうレベルでは全くないですが、なにか学んだり、欲という意味では一例ですが、そういったレベルのこともあります。」


と会見で話している。
他の女性を好きになるのに、KEIKOの高次脳機能障害を理由に挙げ、その上、高次脳機能障害の詳しい症状をも持ち出してきている。

正直、そこまで詳しく話す必要はないのではないうかと私は思った。
性格が変わったり、興味の対象が変化することは何も、高次脳機能障害など後遺症や病気による変化だけではない。
世間の夫婦だって、結婚後に性格が変わっただとか、出産と同時に好きだった性格ではなくなったとよく聞く話である。
私にとって、小室氏の不倫の理由は、まさにこの出産後の夫婦関係の変化から不倫してしまったという理由となんら変わりない。

また、他の芸能人の離婚会見で、「出産と同時に彼女の性格が変わってしまい、その彼女を愛することができずにいた日々の中で他の女性と出会い、その人を好きになってしまいました。」など聞いたことがあるだろうか。
私の記憶ではない。あったとしても、きっと女性から非難轟々だろう。
なので、仮に、別の人を好きになるきっかけが高次脳機能障害であったとしても、出産がきっかけの場合のように、高次脳機能障害がきっかけであるとわざわざ言う必要はないのである。(再度言うが、はっきりとそう明言していません。私の勝手な解釈です)
あくまで出産や高次脳機能障害は、妻の性格が変わるきっかけであるだけで、不倫の原因ではないのだ。
どちらとも不倫の原因は、相手の性格が変わったからと言いながら、相手への愛をやめたことなのだ。

そしてもう一つ。

KEIKOの後遺症の発表は、浮気した本人がするべきことなのか。

一応、彼の勝手で発言したのではなく、会見中に今回の会見内容をKEIKO本人へ事前に伝えたと小室氏は言っている。KEIKO自身がどこまで理解し、承諾したのかは私にはわからないが。

まだまだ高次脳機能障害は、世間一般的には負のイメージかもしれない。こう書いている私もまだ、負のイメージを抱えている。
一種の個性だよ!と思う反面、マイナスの個性だと、ついつい思ってしまう。本当は良くないことではあるが。
その個性である高次脳機能障害をあの会見では第3者の、しかも不倫した相手が発表したのだ。個性は発言する人によって、良のイメージか、負のイメージかどちらにでも変わってしまう。

別れた元カレが彼の男友達に、
「A子のスッピンを見て、俺、別れたんだ」と言った場合と、
付き合ってる今カレが彼の男友達に、
「A子のスッピン見て、俺、付き合いたいと思ったんだ。」と言った場合、
同じスッピンでも前者の方は、ブサイクか!と思い、
後者は、美人か!と想像してしまう。
要は、発言している人によって左右されるのだ。


小室氏の場合は前者に該当すると思っている。
浮気した本人が、高次脳機能障害について述べるのは、私にとって、負のイメージでしか感じられない。
これがもし、
「KEIKOには高次脳機能障害という後遺症が残っていますが、女の子のみたいに優しい笑顔、性格になったようでますます愛おしくなりました。」と発言していたら、どうだろうか・・・・
答えは、明らかだろう。


小室哲哉の引退会見を見たとき、私が怒りを覚えた理由は、この2つであった。

●不倫の理由を高次脳機能障害のせいにしたこと
●高次脳機能障害という後遺症があるということを不倫した側が報告することにより、高次脳機能障害の負のイメージを植え付けてしまったということ。


でも、改めて会見内容を振り返ってみると、怒りというより、不安や恐れだったのかもしれないと、今更ながら、気が付いた。
不安や恐れを隠すために怒りという感情を持たせってしまったのだと。

私の中では、高次脳機能障害を持つことに対して負のイメージがある。なぜなら、高次脳機能障害により制限され、禁止されることが多くあるからだ。
その上、理解してもらえるのは嬉しいのだが、気を使われるのも嫌だというなんとも我儘な気持ちなのだ。
だから、できることならば隠しておきたい。普通の人と同じに扱われたい、というのが本音である。
普通の女性と同じように、女の人として見て欲しい・・・・
でも、会見で小室氏はこう言っている。

大人の女性としてのコミュニケーションが日に日にできなくなってきて、(略)

これは、高次脳機能障害の後遺症を持つ女性は恋愛対象にならないと言ってることではないだろうか。(そう思わない人もいるかもしれないが。)
これでは、高次脳機能障害を持つ全ての女性が恋愛できなくなってしまう。
まだまだ婚活中の私にとっては、絶望的な話だった。
そう、彼の会見は、私に不安や恐れ、絶望感しか与えなかったのである。


彼は、KEIKOへの不貞行為だけでなく、高次脳機能障害を持つ人(少なくとも私には)へ絶望感を持たせるという罪をも持ってしまったのだと思う。


※注意
この記事は筆者の主観オンリーです。
これを読んで、不快に思われた方へ、深く謝罪を申し上げます。

最後まで記事を読んでいただき、ありがとうございます。 頂いたサポートは他の誰かへ"Pay forward"させていただきますね!