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Mein Mann und ich in Österreich - 夫と私とオーストリア #6

【ヌードルキラーの巻】

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そもそもアルデンテってどの程度「芯」感を残せばいいんでしょう?

学校給食のゆるふわソフト麺もわりとおいしくいただいてた身としては、ヨーロッパ基準で麺を茹で上げるのはなかなか難しい。芯の硬さなら麺よりも鉛筆の方が気になる人間だしなあ。
あと、こちらで食べるお米も食文化の違いを感じます。種類はもちろんのこと、調理方法も。
日本は蒸して炊きますが、ハインツの調理方法を見ていると茹でる感じ。最後ザルに空けて湯切りしてるし。しかもやっぱりほんのり芯を残すんです。
彼曰く、日本のお米のネットリ感はあまり好みではないそう。そっかー。ま、好みは人それぞれですよね。

ええと、またパスタに話を戻しまして。
麺類のこと、ドイツ語ではヌーデル(ン)って呼びます。ンが付くと2本以上の麺。誰も1本だけで食べないのに、なんで単数形があるんだろ……
そういえば実家のある群馬には「ひもかわうどん」という一反もめんみたいな麺があるんですよね。あれは一度に1本、というか1枚ずつしか食べられないから、まあ単数形があってもいいか。
というか、ひもかわうどんレベルまででかくなると、あれはもはや麺ではない別の食べ物なのでは?『麺』を定義するうえでの必須条件とは……? ま、うどん界のラザニアだと思えばいいのか。おっけー!

ここで脳裏をよぎった麺のカルチャーショック小話がもう一つ。
以前ドイツ語の語学学校で、ランダムに物の名前が書いてあるカードを引いて、単数形と複数形を当てるゲームをやった際、『Spaghetti』のカードに当たりました。
ペアになったクラスメイトと、まずスパゲッティは1本を指すのか、それとも2本以上なのかで悩みました。知識にないものは知恵を絞っても当然わからず、結局ネットの辞書で調べたところ、1本だと『Spaghetto』だということが判明。ペアの女の子とスパゲッティ、もといスパゲット1本にもきちんと名前を与えるヨーロッパ言語の律儀さに感心しました。ちなみに男性名詞です。

麺のアイデンティティの話から逸れてしまいましたね。
前置きが長くなりましたが、オーストリアにもひもかわうどんのように、麺の定義を揺るがす「ヌーデルン」があるって話をしたかったのです。夫の出身地・ケルンテン州のご当地料理なのですが……。

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※カース=チーズのこと
私が思うにこの料理ってむしろワンタンとか餃子と同族なのでは……?
ウィーンのレストランでも看板メニューにしているところが数多くある一品。スーパーで冷凍の既製品も買えるので、基本的にオーストリア中どこでも食べられます。クセがない親しみやすい味なので、チーズが苦手でなければおすすめ。いつかレシピ調べて自分でも手作りしてみたいな。

思い返せば冒頭の漫画を描いたのは今年の7月。それ以来十数回に渡る麺もの調理で数々のパスタを殺してきましたが、修行の甲斐あって麺の死に方にも変化が!

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我が家では「茹でる際の塩が少ない」と「長く茹ですぎる」罪を同時に犯すと『Doppelmord(二重殺人)』の判決が下ります。私一生シャバに出られないじゃん……シリアルキラーだし。

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最後に『切ったソーセージにスパゲッティぶっ刺して茹でたやつ』の作り方をご紹介。子供が絶対喜ぶパスタなんだそうです(夫談)。我が家ではケチャップ添えで食べますが、他のソースを加えてもおいしそう。ぜひ試してみてください!

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