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Mein Mann und ich in Österreich - 夫と私とオーストリア #7

【ドイツ語で映画・ドラマ鑑賞の巻】

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コロンボはいいですよ。よく眠れます。

海外ドラマ『シャーロック』では、一生のうちに経験した出来事の膨大な記憶を脳内に保管・管理する「マインドパレス(精神の宮殿)」なる究極の記憶術が登場しました。
ハインツはそこまでいかないまでも、記憶力は抜群にいい方。
役者という仕事柄、これまで圧倒的な量の映画を観てきており、しかも内容や制作背景をかなりの精度で覚えているお陰で、その日の気分で観たいタイプの映画をリクエストすると、「サスペンスで60年代ね〜……じゃあこれがいいよ!」とアレクサ顔負けのドンピシャ映画をお勧めできる特技もあるのです。

私自身は大学時代に映画演出を専攻していたくせに、死ぬまでに観たい映画100選にリストアップされているような作品ですら長年スルーしていました。暴力描写の多いギャング映画には苦手意識があったし、SFも理数系が苦手だからと安易に敬遠……しかしアレクサハインツのおかげで「これ観ずに死ななくて良かった〜!!!」という作品を山ほど発見でき感謝!

夫と私の映像作品鑑賞法の最も大きな違いは、「続けて観られるか否か」。高校〜大学生時代は「24」を1シーズン分まるっと借りて一気観マラソン、みたいのやりましたけども、今はもう持久力がない。ドラマなら3話分くらい観たら疲れちゃう。
対する夫は、一日12時間でも映像作品を観られます。ある時は、日英合作ヤクザ&ギャングものドラマ『Giri/Haji』が面白いと一気観。このドラマは、日本語と英語で物語が進むのですが、ドイツ語圏で公開されているバージョンだと

・英語の部分→ドイツ語吹き替え
・日本語の部分→日本語音声+ドイツ語字幕 になってます。

ほとんど字幕で映像作品を観ない夫、私と一緒にスタートを切った最初のうちは、聞き慣れない言葉に混乱気味……と思いきや、やがて私抜きでどんどん次のエピソードに進み、数日のうちに一人で1シーズン完走し、熱く感動を報告してくれました。
なぜいつも一気観せずにいられないのか尋ねてみたところ、いただいた回答がこちら。

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なるほど……?

そうだ、字幕といえば。
オーストリアの映画館では、日本に比べて外国語映画の字幕版上映が非常に少ないのです。ほとんど吹き替え。
映画もドラマもオリジナル音声で聞きたい字幕派!!!の私にはこたえるのですが、そもそも字幕でもドイツ語表記になるから理解度ガタ落ちか……。ただし、字幕なし+オリジナル音声にて上映している映画館も少数あります。

ドイツ語圏の人は字幕が嫌いなんか???と最初は思っていましたが、よくよく考えたら文字数制限が理由かも?と思い当たりました。
漢字を使う日本語は、ひと単語あたりの文字数を少なく抑えられますが、ドイツ語は10文字越えの単語がザラにある言語。私たちの名字(Weixelbraun)ですら10字超えるし。
もちろん動画配信サービスではドイツ語字幕を表示できますが、文字が画面の1/3くらい占めちゃうこともあります。
映像もきちんと楽しみたい人はそりゃあ吹き替え派になるよね。文字を追うストレスもないし。

あ、書きながら思い出した字幕絡みの小話をもうひとつ。

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さすが移民の多いEU加盟国オーストリア。ヨーロッパ言語&中東言語各種取り揃えてます。作品によっては、中国語やタイ語、韓国語字幕が表示できることもあって用意周到。でもオーストリア版iTunesで日本語字幕がついたものはまだ見たことがありません。あまり需要がないのでしょうか。

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