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【読書感想文】「HELLO, DESIGN 日本人とデザイン」デザイン留学前に読んで良かったと思った一冊

こんにちは、まるです。現在セブ島で赤連れてデザインの勉強中です。
今回、留学前に読んでデザインについての意識を変えてくれた本、「HELLO,DESIGN」で特に好きな箇所の読書メモを書きました。

デザイン無心者な自分が読んでもわかるかな、、と思っていましたが、まさにそんな人が読むべき本だと思いました。

0.著者:石川俊祐さん

ロンドンの芸術大学を卒業後、パナソニックデザイン、PDDイノベーションUKなどを経て、IDEO Tokyoの立ち上げに参画し、デザインディレクターとしてご活躍された方。2017年にAnyProjectsを設立し、2018年にはBCGデジタルベンチャーズに参画されています。

1.日本人が誤解しがちな「デザイン」

デザインと聞くと、オシャレなポスターや素敵なパッケージ、きれいな造形をイメージする人が大多数だと思います。(自分もそうでした)

英語の「デザイン」は動詞でもあります。その意味は、「設計する」「企てる」「目論む」。つまりデザインという言葉は、もともと「アイデアを考える、企てる」といったニュアンスを持っているわけです。---
ーーー色やかたちといったビジュアル。アート。おしゃれっぽさ。これら「名詞的」なイメージは、デザインが持つ意味のごく一部分です。   

動詞の意味を捉えたとき、いままでイメージしていた言葉の意味がいかに狭義だったかがわかります。
見た目を整えることは、ある課題に対してデザイン(企て、設計)した結果、最適な色、造形、物質、手段が選択されたということ。

ここを理解してからデザインの授業を受け課題を進めていくと、デザインにおいて思考・考察の部分がいかに大切かがよくわかりましたし、思考・設計部分がしっかりできていれば最終成果物への落とし込みはスムースに(いや大変だけど)できると感じました。

またデザインを学べる学校を選ぶ際は、その学校の「デザイン」がどういう意味なのかまで理解してから決めた方がよいと思いました。
自分が選んだ際はここまで深く考えてはいませんでしたが、結果的に広義のデザインを学べる学校を選べてよかったです。

2.デザインとアートの違い

アートの最も大きな特徴は、「自己表現」です。アーティストの内から湧き出る衝動やインスピレーションを、絵画や音楽、オブジェなどのかたちにしたもの、と言えるでしょう。---
---一方でデザインの根底にある考え方は、人々の心や行動の変化から、そこにある潜在的な課題や願望を読み解き、あるべき姿をかたちにすることです。
ーーー「人が持っている課題の本質を見つけ、その上でそれを解決するための新しいモノ、体験、システムなどをつくりだすこと」がデザインの最もベースとなる概念なのです。

発生元に注目すると、下記のように言い換えられるのではないでしょうか。
アート・・・自身の内から発せられるもの
デザイン・・・社会の内から見つけるもの


3.デザイナーとは

デザイナーとは、問いを設定し、その問いを解決する人である

社会の中の顕在的あるいは潜在的課題に対し、問い(テーマ、誰のどのような課題を解決するか)を考えるところから、実現可能なビジネスにしていくまでの全体にかかわる人、ということであると書かれています。

あれ、これあらゆる企業に必要な人なんじゃないの?と思いますよね。
いままで思っていたクリエイティブ系の一部の人のみに必要な能力ではなかったのです。

また自分ではそう思っていなくても、デザイナーとしての働きをしている方って結構いらっしゃるのではないかとも思うんです。何かを良くしようと行動している人で便利な世の中が動いています。

逆に見た目をどれだけ美しく整えられても、問いや課題解決について考えていない場合はデザイナーではなく自己表現のアーティストになるともいえると思いました。

4.デザイン思考とは

あくまで学ぶのはデザイナーのものの見方であり、考え方。優れたデザイナーたちは、デザインするときにどこを見て何を考え、どうやって解くべき課題を見つけ出し、どうやってそれを解決していくのか。---
---デザイン思考で重視するのは「人間中心」と「ビジネスモデル」、そして「テクノロジー」の3つの要素が重なっていることです。

デザイン思考とは、優れたデザイナー(問いを設定しその問いを解決する人)の目玉や脳みそをモデル化してなぞること。

デザイン思考の4つの基本プロセス
 ①リサーチ(観察/インタビュー)
 ②シンセシス/問いの設定
 ③ブレスト&コンセプトづくり
 ④プロトタイピング&ストーリーテリング
→リサーチして材料を集め、それに意味付けをして「問い」に変え、戦略を練り、ブレストでアイデアを出しあい、プロトタイプを作りユーザーからフィードバックをもらい、ストーリーで語る。


5.本書で好きな箇所、ワード

 ・クリエイティブ・コンフィデンス(自分の創造性に対する自信)を持つこと
→本文に詳細と自信のつけ方が解説されています。

・無意識を意識的に観察する

自分の観察からスタートしましょう。コツは、「快・不快」に注目することです。無意識の心の動きに気付き、言語化することが、もっとも手軽なデザイン思考のトレーニングと言えるでしょう。

・類推思考
遠いところから似た性質を持つものを結び付けて考えてみる方法。

・いいサイズの問いを考える
https://ix-careercompass.jp/article/1014/


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