”巨人と王の躍動 リバプール × ブレントフォード レビュー 【22-23プレミアリーグ 第35節】
■結果、メンバー、フォーメーション
■プレビュー記事
■試合経過
得失点シーン
・1-0 Salah
サラーがサイドで3枚引きつけあとフリーのファビーニョへ。
大外のダイクへロブを送ったわけだが、この時相手選手が2人ファビーニョに寄せに来ていたため、サラーが中央へスプリントできる大きなスペースが出来た。ヘンリーを振り切りゲット。
布陣変更により張ることが増えたが、ゴールは増えている。真ん中に居続けるよりサイドで受けたあと動きながら中に入るスタイルの方が彼にあっているのだろうか。
ついにビルドアップとチャンスメイクに明確さが見えたリバプール。
73分にジョタとヘンダーソンの交代が行われるまでガクポが右IHを担当する攻守4-3-3の布陣を採用したリバプール。
ブレントフォードの守備は5-3-2。5バックもペナルティーエリアの幅に収めるかなり縦横ともにコンパクトな陣形だ。
ここ最近、はっきりとGKの絡んだビルドアップを使い始め、CBとファビーニョとアーノルドの計5名が参加。
対してブレントフォードは同数で激しくハイプレスをしてくる。
しかし、それでもコナテ等が個人でうまくプレスを剥がしてくれた。コナテは左足からも精度の高いパスを出せるようになっており、負傷が怖いことを除けば完成されたCBになりつつある。
ブレントフォードのハイプレスはDFが連動してラインを上げないため、中盤とのスペースが大きくできる。その間で受けるガクポからチャンスが生まれていた。
前半の途中からは、かける枚数はそのままに強度を抑えたステイ寄りの守りに変えたブレントフォードを前にそれまでよりつなぎに苦労するリバプール。
今度はロングボールに活路を見出し、こちらも同数になっている相手DFと自軍アタッカーのエリア、特にサラーに向けてロングボールを放り込む。小柄なヘンリーと彼の負傷交代後に右から回ったヒッキーに対しもあたり負けしない我らがエース。ボールキープやこぼれの回収でチャンスメイクに成功。
加えて効果的だったのが、ジョタのCFへのスイッチ。
後半開始からヌニェスとスイッチし、偽9番的な動きで中央をよく動いた。
それに連動し、ガクポとサラーがCFの位置をとる。
クロップ政権以降、ビルドアップにおいて選手のアドリブ頼み感が否めなかったリバプールだったが(自分が気づいていないだけかもしれないが)、立ち位置に明確に定められている様子が見て取れた。
トニーはケイン。大黒柱同士のバチバチバトル。
アウェイチームのビルドアップに対し、リバプールも同数を送り込むプレスでショートパスで繋がせないような姿勢を見せたため、サイドやロングボールを使う頻度が多くなるブレントフォード。
そこで驚異になったのが、今季20得点のCFトニー。
コナテとのバトルが頻発したのだが、互角かトニーが少し優勢といったところ。迫力があり、プレミア感満載の面白いマッチアップだった。
コナテが後ろからつっかけてマイボールにできた場面もあるし、奪いきれず、収めたトニーから展開される場面もあった。
彼は中央で存在感を発揮するだけじゃなく降りて収めたり、サイドで起点をつくったり、ケインのような役回りをしていた。
こういった見どころのある肉弾戦の中で少し冷めてしまったのが、主審のテイラーがめちゃくちゃ笛を吹くこと。両チームトータルで29(リバプール19)のファウルに6枚のイエローカード(同4枚)だ。
リバプールの直近5戦のファウル数平均は約10回だ。
ロースコアになったのは彼のレフェリングが一因になった。
トニーには苦しめられたが、総合的にはブレントフォードの強みはあまりでなかったゲームだった。
組み立て能力があり、ロングボールの精度も高いGKラジャの配給はイマイチだったし、セットプレーからビッグチャンスもなかったと思う。
それでもスローイン等も含め、引き出しの多さは相変わらずだった。
何度か見せたスローイン→ロングスローのスイッチはマークをずらすことが目的の意図的なプレーだと思った。
リバプールはファーにいるダイクからの折返しくらいしか見られなかったが、ブレントフォードはゴールラインと直角に並んだり、横幅を広げてみたり。直近の試合でもショートコーナーでも複数のパターンをもっていて、やっぱり面白いクラブだと思った。ふと思ったが、サウサンプトンが降格したらウォードプラウズが移籍するべきなのはこのクラブだと思う。運動量の保証できるし、何よりもキック精度を存分に発揮できる。
43:52のシーン。より成長を求めたいカーティス。
5秒前の時点でガクポが手を広げ、ファビーニョも指を指している。それを認知した時点でワイドに広がってよかった。
ガクポが前進引きつけてサラーが1vs1、エリア中央は3vs2という展開になりそうだった。
実際はガクポがすぐ前にいるカーティスに渡したのだが、そこで彼はボールをつっかけられ結果、カウンターがスローダウンしてしまった。
持ち運びたいなら、自分の背後にOnyekaがいることを確認するか、そうでなくともすぐにサラーにボールを渡して自分がエリア内に入る動きをしてほしかった。
それでも9:16の自分のロスト後の即時奪回したプレーは素晴らしかったし、ひとまずヘンダーソンより序列が上になったことは間違いない。
来夏の補強で控えになったとしても交代でまず彼が起用されるくらいのレベルに到達してほしい。
■各種スタッツ
【Liverpool】
・LIV54% vs BRE46%とボール保持率が拮抗。55%を下回ったのは4/5のチェルシー戦以来。(50%)
・アリソンがクラブ通算100試合目のクリーンシート達成。(出場228試合)
・サラーがアンフィールド通算100G。
・サラーがジェラードに並ぶクラブ通算186得点を達成。歴代5位。
・サラーはプレミア選出のMOMを3戦連続受賞。
【Brentford】
・タックル成功6回(リバプール5回)、インターセプト8回(4回)、地上戦勝率59%、空中戦勝率50%でデュエル面でリバプールを上回る。
■次節は5/16(火)AWAYレスター戦
■Full Highlight
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?