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恋愛に振り回されない

もうすぐガイドの仕事が終わる。8月末にはここを離れる。今シーズンは、去年よりも早く時が流れていったなーと思う。自分が案内したガイド日誌を読み返しながら、いろんなツアーがあったなと思い返した。すごい盛り上がって笑いが止まらないツアーから、全然お客さんが反応してくれないしょっぱいツアー、僕がうまく喋れなくて噛み噛みだったツアー、僕が去年案内したお客さんに紹介されて来てくれた人など、日誌のページをめくれば思い出が詰まっている。

仕事が終われば地元へ帰る訳だけれど、そうしたらやっと恋人に会えるなぁと思っていた。一度別れて、またよりを戻した恋人のことを考えながら、僕が恋人に精神的に甘え過ぎていたのかもしれないと思った。

初めて付き合った男の人だ。当時、24才だった僕は年上のこの人といればゲイ友達たくさんできるかなとか、僕の生き方と応援してくれるかなとか、そんなことを心のどこかで期待していた。北海道で働くことも応援して欲しかった。でも、そんな事は僕が自分で解決すべき問題なんだと、数年も経ってから自覚することになる。もう28歳である。付き合っている間、自分の精神年齢は24歳から進んでいないようにすら思えてくる。無意識のうちに期待をしてしまい、無意識のうちにイライラしている、思春期の子供みたいな期間をしばらく過ごしていた。たぶん、僕は年上の人にイライラしやすいのかもしれない。やった事のない事に挑戦するのが好きな僕と、日々の穏やかな生活を大切にする恋人とは、考え方も結構違う。

最近、「人生の結論」(小林一夫著)という本を読んだ。著者が80代というのもあって、すこし古いなと思う思想もあったけれど、読んでみると結構面白かった。その中に「自分の不安を誰かに解決してもらおうとしない」と書いてあった。

「他人は自分を助けてくれますが、最終的に自分を助けるのは自分だけです。(中略)  そして、人に頼ることはとても癖になりやすいのです。」

あぁ、自分のことを言っているんだなと思った。もっと大人になりなさいと書いてある章もあった。色んな意味で僕は子供っぽい。恋愛をすることで、その子供っぽさが浮き出て来ているんだろう。きっと、こういうのは高校生とか大学生くらいで経験しておくものなんだろうけど、僕には経験が遅すぎたみたいだ。

恋愛に振り回されないように、自分で生きて行く力が必要だ。思えば、大学時代の恋愛は、もっと自分の意思がはっきりしていた。良くも悪くも、恋人になんの期待もしていなかったからだろう。

もうすぐ地元に帰る。それが、最初の気持ちの転換点になると思う。