僕の地元は、遥か雪の向こう側

noteを書くことが減った。一時期、マイブームのように毎週書いていたけれど、最近は書きたいことも減った。いや、誰かに聞いてほしかったことはあらかた書いてしまったのかもしれない。

今は新潟のスキー場で働いている。ここ数日のニュースで言っているように、昨日と一昨日は雪が降り続いて、24時間に寮の前で50cmも雪が積もった。雪のない草原みたいなスキー場で、「今年は雪が遅いね」と言いながらシーズンの準備をしていたのに、たった一日でコースも雪で満たされて営業仕様になった。コース上部は一日だけで100cmも積もっている。去年の北海道のスキー場でも、一日でこんなには積もらなかった。信じられない量だ。

新潟に来るまでの二か月間、地元でいろんなアルバイトをしていた。その間、よく恋人と会っていたのだけれど、今年はよくケンカをした。ケンカと言っても、「それはどうなのか」と落ち着いた声で話し合うのだけれど。

僕ははっきり言って、恋人の友人関係をあまりよく思っていない。恋人の友人関係なんて僕が口を出すことではないのは頭では理解しているつもだりだ。でも、まるで女子会のような集まりにゲンナリすることもあるし(ゲイ特有なのかな?)、ゲイ版風俗をやっている人もいる。その集まりの話を聞くたびにモヤモヤしている。恋人は「そんなに気にするのかい?」という様子だ。現状肯定派&保守的の恋人に対し、僕は「そんなんおかしいだろ!」と噛みつきたくなる性分なので、この辺はいつもかみ合わない。

そんなこんなで、あまりよろしくない状態で二か月が過ぎた。再び僕は地元を離れて新潟に来たのだけれど、離れてみて思うのは、僕の恋人は本当に僕を好いていてくれるんだなという事だった。まぁ、いろいろ思うことは多いのだけれど、その雑多なことに紛れて、ちゃんと人を好いて、同時に好かれていることが見えなくなっていただろう。出会っていなかった5か月の間に、僕はいろんな期待を勝手に膨らませてしまい、それを押し付けていたのかもしれない。結局、恋人とは他人なのである。その他人の自由を奪うことはできない。僕の目の前にいるその人を、ただ、愛するだけだ。

今日は北海道よりも何倍も重い雪をかいた。北海道で「ママさんダンプ」と呼ばれるプラスチック製除雪道具が、新潟では鉄製だった。雪が重いから丈夫にしてあるのだろう。同じ日本で、同じように雪を浴びながら、北海道とは違った環境を実感する。ここに住む人には、この雪での暮らしがある。「北海道からくると、戻りたいと思わないの?」と言われたけれど、そんなことは無い。いろんな場所に住んで、その場所の暮らしを垣間見たいのだ。僕はそこで暮らす人たちが好きなのだ。その人たちの一生懸命暮らす姿を見て、未熟な僕を奮い立たせたいのだ。

スキー場の上部から、白くなった集落が見えた。僕の地元は遠い。

人を愛することは、未熟な僕にはまだ難しい。