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【バトン連載】石垣のおじぃおばぁと共に|縁をつなぐエッセイ vol.6|文:山本修也@石垣島


はじめまして

山本修也と申します。前回からのバトンの繋げられ方が少し妙でしたが(笑)、本企画のテーマでもある”縁・人と人との繋がり”は大切にしています。(編集部注釈:前回の縁をつなぐエッセイVol.5にて、「しゅうや君は、私のことが好きすぎてこの春より滋賀県より移住してきました」と書かれたことに関して)

大切な友人が居る事・その繋がりやご縁で仕事やコミュニティーがある事は移住生活に彩りを添える、とても大きな要因となっています。

その他にも、社会福祉士で児童福祉の分野の仕事に従事していた私にとって、石垣島の地域力・文化・合計特殊出生率の高さはすごく魅力的であり、そこも移住理由の核になっています。

山頂にて

そんな少し斜め上の角度からの島の魅力と繋がりについての投稿ですが、最後までお付き合い頂けると幸いです。

そもそもなぜ繋がりが大切なのか

私は 、“福祉とは?”を考えたい・肌で感じたいという思いから、デンマークに留学した経験があります。そして、児童養護施設に従事していた経験から、福祉に関わる事・子育てを、“家庭”から“社会”や“地域”に変え、社会・地域・企業・制度等で包括的にみていく必要があるのではないかと考えています。

生まれた環境背景から生じる格差や能力差は仕方ないという考え方はどうなのか?個人の努力不足だと言って済ませていいのか?あらゆる人と共に生きていくとはどういう事なのか?等の疑問が浮かび、人間関係や繋がり、福祉レジーム等についても考えるようになりました。
(編集部注釈:福祉レジーム・・・社会福祉政策や制度がどのように構築されているかを示す概念。詳しくはこちら

特にこれからの日本において地域力や文化・繋がりがどうであるかは軽視出来ない事だと思います。

繋がりと生活・所有と共生のバランス

石垣島に移住し、様々な衝撃的な文化の違いも体験しましたが(笑)、ここでは日常生活に関わる地域の話に絞りたいと思います。

私が育った環境はでは、子どもの頃から、知らない人に挨拶をしたり、話したりすると、“知らない人と話してはいけない”と怒られてきました。

大人になってからも、友人のダンスの発表会で友人の知人のダンスがとても躍動的で感動したので、素晴らしかったと伝えると、友人に“知らない人に気安く話しかけるな。ここは日本だぞ。”と怒られました(笑)。

しかしこの島では、近所の人との挨拶や会話、街ゆく人や友人の友人等と会話する事がとても多く、それが良い意味で私に嵌っています。私が育った地域の特性や私自身が一風変わっているのかなと思う事もあります(笑)。しかし、もともと好奇心旺盛で、あらゆる物事や人に興味関心を持つ私にとっては、人と人との繋がりや、人への好奇心に対して、重い蓋をされていた感覚でした。

石垣島のおじぃおばぁと共に

しかし最近ではほぼ毎朝、近所のおばぁとお話をしたり、高齢者にとってやり辛いであろう電気の交換等の家事を少し手伝ったりしてから、出勤する生活リズムになっています。

家事を手伝ったり

そんな近所のおばぁにも台風時にはすごく助けられました。台風の影響で長期間物流が止まると知らず、台風後はスーパーに売り物が全く無く、すぐに冷蔵庫の中が空になり困っていた私におばぁが“いつものお礼”と、言い、たくさんの食べ物を恵んでくれ、事なきを得ました。

「自分さえ良ければ良い」という思考から発生する“所有”ではなく、相手を想って行動する事で起きる好循環や、“共生”という感覚や、人と人との繋がりの素晴らしさを感じられました。

必要に応じて誰かと意図的に繋がったり、人に媚びたり、上下があったりするものではなく、対等に心と心が自然と繋がり、ご縁が続く形で、人と人との関係が循環し続けたらなと思っています。


人と人との繋がりが根となる

そうした人と人との繋がりは、“家庭”で完結という枠を超え、地域で人と共に生きていくという事の大きな根となり、あらゆる種類の根とも絡み合い、彩り豊かな生活を創るのだと思います。

週末はカヤックのガイドとして働いている


そしてその延長線上に、福祉や教育を地域で行えるとも考えています。
私自身もこの先ずっと、ご縁や繋がりを大切にして生きていきたいと思います。

最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。

次のバトンは…

次回号は、地域行事や自身の様々な活動で活躍している、もーもーにバトンを繋ぎます!彼女の行動力や夢・人柄には年齢に関係なく1人の人として、とても尊敬しています!是非お楽しみに♪

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この記事を書いた人

山本修也
平成2年産まれ。関西の大学卒業後、フリーランスとしてリムジン業等をした後、海外のスラム街での体験に影響を受け、福祉分野へ転向。児童養護施設に従事。その後、デンマークへの留学をした後、社会福祉士を取得。現在は石垣島で学童クラブ・週末はカヤックのガイドとして働いている。

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