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【越境対談】党派を超えて石垣を語る vol.1|市議会議員対談:長山いえやす×花谷シロー@石垣島

編集部:本日は「月刊まーる」の創刊号特別企画「党派を超えて石垣を語る」ということで、自由民主石垣の長山いえやすさんと、会派ゆがふの花谷シローさんにお越しいただきました。お忙しい中、ありがとうございます。

長山いえやす(以下長山、敬称略):ありがとうございます。対談というのは初めてですが、よろしくお願いします。

花谷シロー(以下花谷、敬称略):こちらこそ、ありがとうございます。


二人の出会い、最初は不審者?

ままずは笑顔で乾杯!


編集部:
まずは、お二人のお互いの印象や、出会いなどから、自由にお話いただければと思います。

長山:出会いは、そうですね。初めて花谷さんを認識したのは *防衛省が市民会館で説明会を開いた時に、凄い意見を言う方がいるなと。(*編集部注釈:2018年防衛省主催の石垣島への陸上自衛隊配備計画についての住民説明会)

花谷:あ、議員になる前ですね。

長山:そうです。そしたら、いつの間にか選挙が始まったらこちら側の選挙事務所の前にいたという(笑)

花谷:わざと中山さんの選挙事務所の前に延々と立つということをやってたんですよ(笑)

長山:この人何者だろう?と。最初は不審者っていう印象でした(両者爆笑)。

花谷:5年前ですね。ちょうど選挙に出たのが。

長山:その後、いろいろ議会でよく発言されていて、とても分かりやすく説明されている。ただ、あらゆることに関して質問されるので、受ける側としては嫌なんですよ、ヒヤヒヤします(一同爆笑)。
花谷:僕の話は分かり易いというのは、、、自分自身が分からない部分、疑問から入ってるので、分かりやすく話そうという意識はしてますね。

長山:なるほど。

花谷:僕にとっては、家康さんの印象というと、自分とは全く逆のタイプの人間かなというイメージがあります。生活ルーティンとか、ポジションとかも全然違うような印象がある。ただ若手も入ってきてお互い中堅の議員という立場で。どっちも与党と野党の会長をやってるのでちょうど立ち位置的には似てるかなと。ただ、家康さんには現実とビジョン(理想)と両方あるなと。

長山:議会では、僕ら(長山氏と花谷氏)は与野党での代表ということになってるので、理想というより、皆をまとめるところに注力するようになってるのかもしれない。そうなると現実的な話で進めていかなければならないという。

花谷:仰る通りで、意見をまとめるというのと自分の主張をするというのは、真逆なので、中堅で比較的若手、ということで自分の主張というのはちょっとしづらい状態というのはありますね。ただ、僕は立ち位置が反体制みたいに思われているんですけど、家康さんと違うところというのは、僕は全く政治家になるとは思っていなかったんですよ。家康さんは元々政治の世界に興味があったと思うんですが。ただ議会では、近い存在として感じていますよ。

長山:実は僕も元々政治にそんなに興味があったわけではないんですよ。

花谷:あら、そうなの?

長山:はい。ただ、20代、30代の議員があんまりいなくて。当選したのは*26歳だったんですが、石垣には若手が全然いないというのに違和感があって。僕は20代でアメリカに留学するんですけど、ちょうどオバマ大統領の選挙中だったんですね。留学先のルームメイトや、同世代の人たちが選挙活動を自然にしていました。アメリカの政治的なことも色々と話していて、石垣のことを考えた時に、そういう同世代の人っていないな、と思ったことがきっかけでした。高校で生徒会長をやってた時は、ただのお祭り好きで、盛り上げるのが好きということだけでしたが、石垣の選挙の時には、島の方々の懐の広さで当選させてもらったという感じです。
(*編集部注釈:2014年当時史上最年少議員として初当選)。

花谷:多分、僕なんかは、高校とかではあんまり目立つような存在ではなかったんですけど、家康さんは生徒会長とかやってらして、当時から目立っていたのかなと。美崎町での飲みの目撃情報とかが多い、とかね(笑)。

二極化が進む島内、『議会の外』でも話し合いたい

長山:でも当選されたばかりの時はシローさんに「若い議員で飲もうよ」とよく誘っていただいてましたよ(笑)。結局1、2回で終わってしまったんですが、最近若い議員と飲みたいなと。議会ではなかなか、(議論が)先鋭化してしまっている部分があるので、色んな方と意見交換をしたいなと。でも最近は全く誘ってくれない(笑)。嫌われているのかと。

花谷:そう言うことではなく(笑)。政治を語るわけではないんですが、特に島の政治って難しいんですよね。沖縄県は米軍問題があって二極化しやすいんですが、石垣は特に二極化が進んでいる自治体じゃないかと感じています。ただ「島」なので、与党・野党とは関係なく、与野党で分かれていても親戚だったり、友人だったり、知人だったりするじゃないですか。だから、政治の側面と生活というのが切り離せないというところがあって。だからこそ、僕らは議会以外でも信頼関係を作っておく必要があると思っていて。議会の外である程度議論をして方向性を見出した上で議会に望まないと、永遠に相反してしまう、ということが起こる。

長山:実際に議会の外でも力を借りたいと思うことがありますし、確かにもっと議会外で話し合いたいですね。議員が提案する意見書や決議についても協力すればできることがたくさんあると思います。例えば子育て政策では、給食費や出産費用などに関して、市議会として民意を反映させて行くには、お互いに話をして進めなければいけないですし。

花谷:僕は議会に入ったのが自衛隊の問題から、ではあったんですけど、元々は全面的に環境問題をやりたいんですよ。ただ「自然が大事だよね」っていうことだけじゃなくて、石垣の経済にとって最も重要なのは自然環境だと思っていて。それがなければ、観光経済自体も成り立たないと考えている。僕は農業をしているんですが、農業も環境保全する農法を目指しているんです。ビーチクリーンをやったりもしてますし、プライベートでは環境系の活動を生活の中心に置いていて、実際にシャンプーと石鹸と、台所洗剤を使わないで生活してるんですが。こういう「イデオロギーの話ではない話」を、議会の外でできたらなと思ってます。

長山:それはありますね。環境問題全般についてもそうなんですが、僕も含めて島の皆さんには、例えばビーチクリーンに関しても、それぞれの意見のグラデーションがあるのに、議論では「黒か白か」、「ゼロか100か」、という話しになってしまう。これはやはり、皆で話し合えていない、ということなのではないかと。例えば、ホテルを建てるという話であれば、環境に配慮したホテルを作らせるためにはどうすればいいかとか、島のどこまでであれば企業が進出してもいいとか、具体的なことに関しては話し合いがされない。僕自身もゴミ拾いとか、自然が綺麗だよとかしか言えてなくて。なので、(議会の)外での話し合いの場は増やしたいですね。たまにはしょーもない話とかもしたいですし。

花谷:そうですね、しょーもない話もいいですね。

(次回、4月号追加記事では両氏の”しょーもない?”話を掲載予定)


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