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【気まぐれ連載】映画でまーる vol.4|2023年10月号|平均年齢83歳のおじいおばあの挑戦『はじまりはヒップホップ』|文:アーヤ藍


気まぐれ連載「映画でまーる」、気まぐれすぎて、うっかりすっかり4ヶ月も間が空いてしまいました……!!!皆さんに忘れられていませんように…。
そんな"冬眠"ならぬ"夏眠"からの目覚めの今回、ちょっとパンチの効いた作品を。舞台はニューイジーランドの東側にある人口約8000人ののどかな島、ワイヘキ島。

この島に平均年齢83歳、最年長94歳の世界最高齢ダンスグループ「ヒップ・ホップ・オペレーション(The Hip Op-eration Crew)」が誕生!
グループ名の由来は「メンバー全員が腰(ヒップ)の手術(オペレーション)を受けていたこと」というぐらい、決して超人的な体力の持ち主なわけではなく、加齢に伴う様々な”ハンデ”を抱えながらも、未経験のヒップホップダンスに挑戦していきます。
そんな彼らを率いる振り付け担当兼マネージャーのビリーは、目標として、アメリカ・ラスベガスで行われる世界最大のヒップホップダンス大会に出場することを掲げることに。

早速、大会本部に特別枠での出演を掛け合いますが、そこはさすが世界大会。「単に“老人が踊っている”以上の見応え」を求められます。
ビリーもメンバーたちも真剣に練習に取り組んでいきますが、思うように体が動かなかったり、教わった振り付けをすぐに忘れてしまったり、そもそもラスベガスまで飛ぶ体力や費用面の壁も立ちはだかります……。
さてこのあたりでぜひ予告編をご覧ください。

無理はしない、でも諦めない。
楽しいだけじゃない、でも悲しいだけでもない。
何歳になっても"仲間"は宝物。
いつもユーモアの心は忘れずに。

そんな姿勢が予告編だけでも伝わってくるのではないかと思います。
映画の中ではメンバーそれぞれのライフヒストリーも紐解かれていきますが、私たちの何倍・何十倍もの人生の厚みをもった”先輩”たちの困難との向き合い方や、自分自身を飾らずにさらけ出してくれる姿は、ものすごくかっこよく、心の底からパワーをもらえます。
長年東京で暮らしていた私は、石垣島に引っ越してきてから、八重山の"世代の壁の低さ(おじいおばあの近さ)"にいい意味で驚いたのですが、そんな八重山の環境のありがたみも、この作品を観ると改めて感じられるかもしれません。

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映画『はじまりはヒップホップ』
2014年 / 94分 / ニュージーランド・アメリカ
予告編(こちらは練習し始めの頃の本編映像つき)

この記事を書いた人

ai ayah
ユナイテッドピープル(株)で環境問題や人権問題など、社会的メッセージ性の強い映画の配給・宣伝を約3年手掛ける。2018年春よりフリーで、ライター、イベント企画・運営、映画PR等を行う。

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