常に90点の文章を書くコツ
Xでのしゅーぞーさんの投稿を読んで、しばらく考え込んでしまった。
「これは……自分の中でまとめて、消化しておかないとヤバいぞ」と、感じたので「常に90点の文章を書くコツ」について、投稿しています。
コツは、全部で15個。「共通する要素」ごとに、3つのグループにまとめてみました。
(1)「伝える」ための基本技を大切にする
・一分は短く簡潔に
・「、」を打ち過ぎない
・体言止めを効果的に使う
・並列項目があるなら箇条書き
・同じ語尾を連続して使わない
(2)「伝える」前に、相手を思いやる
・難しい言葉は言い換える
・強い言葉を使い過ぎない
・削れる言葉は無いか見直す
・どんな時も結論ファースト
・言い切りと敬語は混在させない
・ひらがなと漢字のバランスを意識
・文章と文章のつながりを意識する
・適切な助詞を選べているか確認する
・適切な「ひらき」を覚える
(3)「伝える」ではなく「伝わる」を意識する
・100%の反論処理を行う
(1)「伝える」ための基本技を大切にする
基本技は「初歩のスキル」ではない。
たとえば「同じ語尾を連続して使わない」は、上級者だって難しい。
瀬戸賢一『書くための文章読本』という「文末からみた書くための文章読本」があるくらいだ。
基本技は「最初は意識して、そして無意識に使えるようにするスキル」なのだ。
(2)「伝える」前に、相手を思いやる
「思いやり」とは、相手は自分と違うことを自覚して行動すること。「このくらい分かるだろう」という「自分中心の発想」にまったをかけること。
書くことは、自分の思いを文章にすることでもある。「自分の思い」は、やっかいだ。他人から見れば「うっとうしく」感じられることもある。「削れる言葉」は、常にあると自戒したい。
「言い切りと敬語は混在させない」は、「デス調とデアル調を混在させない」という意味かもしれない。学校では「混在」を戒めている。しかし、現実の文学作品には「混交調」もある。瀬戸賢一『書くための文章読本』の指摘が妥当だと思う。
「混交調を推奨しているわけではありません。しかしながら文章の技術面からすると、手持ちのカードを増やしておくのは悪いことでありません」
(3)「伝える」ではなく「伝わる」を意識する
上司が部下に、親が子どもに、先生が生徒に……「言った」としても、相手が理解したとは限らない。
「反論処理」とは、相手の意見や反対意見に対してうまく対応するスキル。例えば、営業の場面でお客様が「今は考えたい」と言ったとき、営業マンの「切り返し」が反論処理になる。
実際は「上手く切り返した」と思っても、相手が納得しないことの方が多い。自分の反論処理に満足しないで、相手の反応によって次の反論処理が必要になる。
文章も同じだ。「これで決まった」と思う表現をして安心してはいけない。人は「相手から説得された」という感覚を不快に思う。ていねいに、そして粘り強く行う必要がある。それが「100%の反論処理」かもしれない。
もし15個の「常に90点の文章を書くコツ」をみて、「ここまでやって、まだ90点なのか」と、感じるならまだ“伸びしろ”があると自分を励ます。「やって当然」と感じるなら、90点に満足しないで精進する。
「常に90点の文章を書くコツ」をまとめてみて、そう思った。