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特色入試本番の時間配分

Twitterにて、「時間配分どうしていましたか?」という質問を頂き、入試本番の時間配分について書いたことがないことに気がつきましたので、書いてみようと思います。文学部の第2次選考(京大で試験を受けるもの)まで1ヶ月を切っているので、書くのが少し遅かったかもしれないと後悔しております。

 当日の思い出はこちらにまとめています。


・特色入試の第2次選考について

令和5年度の特色入試募集要項より文学部の一部を抜粋

 第1次選考は提出書類によって選考されると書いてありますが、例年第1次選考は全員通っているように思います(平成28年度の特色入試初年ではかなり落とされていますが)。きちんと「学びの設計書」等の提出書類を準備しておけば通過できるものだと思います。私の受験年も全員合格して京大で第2次選考を受けました。

 第2次選考は午前と午後に試験があります。私の時は以下のような問題でした。

①午前:論述試験(1時間30分)

 文章とそれに関連した問いが与えられ、その問いについてどう考えるか学びの設計書と関連づけて述べる問題です。
「卒論の存在理由」について問われました。(800字)

②午後:論文試験(2時間30分)

 二つの文章が与えられ、(1)(2)でそれぞれの著者の主な考えをまとめます。(各400字)
 (3)は、与えられた問いについて二つの文章を踏まえて自分の考えをまとめます。言語と文化について問われました。(800 字)

 なお、どちらの試験でも下書き用紙が配布されますが、私は全く使用しませんでした。下書きをする余裕がなかっただけなのですが、提出するものでもないので受験生の自由に委ねられていると思います。下書きをしなかったので、解答冊子に修正しながら直接書いていきました。

 個人的には過去問よりも書きやすい題材で、運が良かったと思います。

 では、それぞれの当日の時間配分について書こうと思います。
令和3年度と4年度の過去問は下のリンクからご覧になれます。


①午前:「学びの設計書」に関連する論述試験(90分) 

 A4で3〜4ページの日本語の文章を読み、与えられた問い(文章内にあることについて「あなたならどうしますか」や「あなたはどう考えますか」など)に対して自分の「学びの設計書」と関連させながら800字以内で記述する試験です。
 見直し等を含め、30分は余裕を持たせたいので、大体60分で書き終わるように時間を決めました。
 時間配分としては、
   5分:読む 10〜15分:構成を考える 40〜45分:書く
です。

5分:読む
 私はもともと本などを読むスピードが早く、また受験勉強の中でさらに速読になっていたので、1ページ1分かからずに読めます。しかし、京大の試験問題なので、少し難解な文章で、理解するのに手こずる箇所もあり、1ページ1〜2分で読みました。そんなに長くないので、見返しながら文意をとっていきます。
20分:構成を考える
 
「あなたは卒論の必要性についてどう考えますか、『学びの設計書』に関連させて書きなさい」という設問だったので、まずは「自分の考え」を明確にします。この時に「学びの設計書」と関連させやすいような方向性にしておくことが重要かと思います。800字の構成も重要ですが、「自分の考え」をしっかりと固める方に時間を使いました。
40〜45分:書く
 
下書き用紙は使用しなかったので、できるだけ丁寧に直接解答冊子に書き込みます。読む段階で問題冊子に線を引いたり、メモしたりしておいたことも使いながら、書いていきます。詳しくは、過去の「特色入試」関連の記事に書いています。
残り時間
 
20分を残して書き上げることができました。残り時間は、解答冊子の表紙の受験番号や名前を確認したり、誤字脱字の確認に努めました。書き終わってからすぐに見直しても中々気がつけないので、一度リラックスしてから見直しを始めました。消し忘れや、薄くなっている箇所は消し直したり書き直したりして、「読みやすい」解答用紙にするように意識しました。

②午後:論文試験(2時間30分)

 問題文Aと問題文Bが与えられます。(日本語と英語の文章が一つずつですが、大体Aが英語、Bが日本語です。)(1)〜(3)まで問題があり、(1):問題文Aの筆者の主な考えを400字でまとめる
(2):問題文Bの筆者の主な考えを400字でまとめる
(3):二つの文章をふまえて〇〇について自分の考えを800字でまとめる
    (〇〇は問題文ABに共通する内容)
という構成になっています。

 年によって問題文ABの長さが異なり、私の時は英語が5ページ半、日本語が5ページほどでした。過去問より英語が長い印象でしたが、内容的には其ほど難しくありませんでした。

 問題を解く順番は(1)から順に解いていきました。見直しの時間をしっかり取りたかったので、2時間で全て解いて30分は余裕を持たせるイメージです。
 論文試験では、問題冊子の最初のページに(1)~(3)の問題が書いてあるので初めに目を通して、(3)に使えそうなワードや筆者の意見には、要約のメモと並行して印をつけておくと(3)の構成を考える際にスムーズです。 
 私は(3)で言語と文化について聞かれることがわかっていたので、その辺りのキーワードにも気をつけながら文章を読みました。

(1)英語文 25分:読む 20分:書く
 
1ページに5分ほどかけてしっかりと本文を読みながら、問題文に書き込みをしたり要約の構成につながりそうなメモを書いたりしました。
 分からない単語もありますが、ここで求められているのは「筆者の主な考え」をまとめることであり、日本語訳ではないので、分からないところは印をして読み飛ばします。最後まで読むと意味が推測できる場合もあるので、気にせず読んでいきます。「筆者の”主な”考え」なので、繰り返し書かれていることを中心にしてまとめていきました。
 あまり時間を使いたくなかったので、読みながら頭で構成を考えて思いついたらメモをしておきます。

(2)日本語文 10分:読む 20分:書く 
 
英語とは違い、1ページ1~2分でざっと読み、要約する際に都度見返しました。こちらも横にメモをかなりしました。
 こちらも読みながらどうまとめるか、何を中心に据えるかを考えてメモしておきました。

(3)800字 50分 10分:構成 35〜40分:書く
 午前の論述試験と同様に、構成を考える際には「自分の考え」を明確にしておきます。ここがしっかりしていないと論文の軸がぶれてしまうので超重要です。問題文に明記してあるわけではありませんが、一応「学びの設計書」と関連させておきました。

 2時間ほどで終えて、残りは見直しに使いました。3回ほど読み直したと思います。誤字脱字確認の回、文意が通っているか確認の回、など何回かに分けて確認しました。書き上がっているので大幅な修正は難しいので、書く際に注意しておきます。


 振り返ると、400字は20分前後、800字は40分前後で書き上げています。与えられる文章の長さが年によってまちまちなので、量が多い文章を与えられても慌てないように書くスピードを一定にしておくのも重要だと思います。

 具体的な対策はこちらにまとめています。


 初めにも書きましたが、私の受験年は私にとっては「当たり」のテーマばかりで、とてもスムーズに書くことができました。一方で、京大文学部の特徴である幅広い学問分野により、「文学部」という括りの中で出題されるテーマが様々になっています。過去問を見ると、文学、歴史学、地理学、哲学、文化人類学、社会学、人類学や、そもそも学問とは、というような内容まで扱われており、予想するのは難しいと思います。
 全員にとって「当たり」となるテーマばかりではないでしょうから、どのようなものが出題されても対応できるようにしなければなりません。読書をしたり、ニュースを見たり、人と話したり、様々な方法で自分の中に「書く材料」を蓄えておくのが良いと思います。

 
 長くなってしまいましたが、最後までご覧いただきありがとうございます。

 


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