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特色入試の論述試験で課題文の要約は必要か

 今回はお題箱にて頂いたご質問について書こうと思います。

 特色入試の論述試験は午前に行われる試験で、文章が与えられ、それに関する問いに対して、文章を踏まえて「学びの設計書」と関連させながら800字で論述する試験です。

 上記のご質問に端的に回答すると、「書かなくてもよいと思う」です。私自身、要約はしていませんし、800字で要約を書く余裕はないように思いました。

 過去問を見るに、問題文から読み取れるこの試験で求められていることは大きく分けると、
・受験生の考えを書くこと
・「学びの設計書」と関連させること
・与えられた文章(課題文)を踏まえること

 これに加えて細かいものでは、文章力や京大や文学部のアドミッション・ポリシーに沿った内容などがありますが、大前提なのでここでは割愛します。過去の記事にまとめているのでよろしければそちらをご覧ください。


 私は、「受験生の考えを述べること」というのが試験の中心にあると考えます。与えられた文章や「学びの設計書」を踏まえることは、考えを述べる際の注意事項に過ぎません。〇〇は与えられた文章のテーマであったり、文章内で筆者が提起する問いであったり様々ですが、それほど難しいものではありません。ただ、与えられた文章をよく理解していないと、「文章を踏まえて」の条件を満たせないので注意が必要です。

 さて、「要約」についてですが、上にも書いたように問題文として求められているものではありません。要約を書いても減点にはならないと思いますが、私は書きませんでした。そもそも字数的に要約を書く余裕がなかったからです。
 一般的な小論文であれば、冒頭に筆者の考えや課題文の内容を要約することが多いと思います。しかし、特色入試の論述試験では、他の小論文試験とは違って「学びの設計書」を踏まえてという条件が与えられています。そのため、自分の考えを書くにあたって説明や、「学びの設計書」との橋渡し的な記述で字数を使うことになります。「学びの設計書」で書いた内容とリンクするテーマであればそれほど字数は要しないかもしれませんが、表面的な繋がりの薄い問いを立てられた場合には採点者に対して「与えられた問いに対してどのように『学びの設計書』を踏まえているか」が分かるように論述する必要があります。このように考えると、800字で要約を書く余裕はありません。
 さらに、与えられる文章の長さは年によってまちまちで「何字で要約するか」という疑問が湧いてきます。A4で2ページの文章と4ページの文章では、要約に何字使うかを違ってくるように思います。私は、上の3つを満たしながら要約のことまで考えるのは大変だったので、要約を書かないことで悩みを回避したとも言えます。
  
 私は書かずとも合格できたので要約が必須というわけではなさそうです。ただ、合格者と話したわけではないので要約を書いたら減点になるのかはわかりません。問題文で求められているわけではありませんし、論文試験の方に「まとめなさい」の問題があるので、論述試験では無理に要約を書く必要はないと思います。ただし、自分の論述を完成させる(考えを述べる)にあたって要約が必要なのであれば、書くべきだと思います。
 迷うのであれば、問題文にあるように「あなたの考え」を充実させて字数を満たす方がよいと思います。

 
 最後までご覧いただきありがとうございます。

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