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文章を書く第一歩

今回は私が文章を書くにあたって意識したことについて書いてみます。

私が小論文や論述試験のためにまず意識したことは「文章を書く」ということです。とはいえ、ただの文章ではありません。試験における文章の特徴は、

1、試験官の目に触れる
2、他の受験生と比較される
3、自らのアピールの場となる

の大きく3点があると考えました。 


1、試験官の目に触れる

 つまり、自己満足(自分だけが分かればいい)の文章になってはならないのです。誰かに「読ませる」ことを意識して記述する必要があります。そのための基本として、”きれいな日本語”が重要です。例えば、

・主語と述語が一致している
  特に、一文が少し長くなる場合には要注意です。
  ❌例)私は、〇〇について〜〜と思われる。
  ※自発の意味での「思われる」の可能性もあるかもしれませんが、「思う」の方が適切でしょう。

・時制を整える
  現在の考えを補強するために過去の体験について書く場合などに注意が必要です。時制が混乱してしまうと、読み手は「これは何について書いているのか」と疑問に感じてしまいます。

・口語は使わない
  例)「なので」を文頭に使わない。
    「〜〜ということ」を「〜〜とゆうこと」と書かない。
    「全然」は否定語と呼応する。(「全然大丈夫」は❌)
    「ら」抜き言葉は使わない。   など

・文末を揃える
  例)〜です。ます。もしくは、〜だ。〜である。
  私は後者を使っていました。
 
・繰り返しを避ける
  「あなたの考えを述べなさい」のような問題だと「思う」「考える」などが頻出しがちです。これを回避した方法についても後々書いてみます。

・一文が冗長すぎない
  無理に短くする必要はありませんが、長すぎると書いている自分自身も混乱しかねません。私は大体50字以下になるように意識していました。

また、文字として提出するわけですから誤字脱字もあってはなりません。慣用句なども混乱しやすいですね。(的を射る?得る?)

 ”きれいな日本語”のために私がしたことは、たくさんの文章を読むことです。できれば、本や新聞などある程度の公共性を持つもの、正しい文法である可能性が高い文章がおすすめです。教科書もいいです。(ただ教科書は第三者視点で書いてあることが多いので、一人称視点とは動詞等の使い方が異なってきます。)
 もう一つは、音読です。声に出して読みにくい文章は、目で読むのも難しいと感じる場合が多いです。また、目では気がつかない違和感に、耳では気がつける場合があります。


2、他の受験生と比較される

 分かりやすく言えばオリジナリティを出そうということです。ご存知の通り小論文や論述試験には明確な答えがありません。しかし、入試においてはある程度解答として求められる枠組みがあると思います。
 その枠組みとは、例えばアドミッション・ポリシーや求める人物像です。どんなにオリジナリティあふれた文章でも、求められる像とかけ離れていては試験には合格できないでしょう。つまり、記述に求められる要素はある程度予測できるのです。それをどれだけ読み取り、記述に盛り込めるかもオリジナリティと言えるでしょう。
 私は募集要項に書いてあるアドミッション・ポリシーや求める人物像を何度も読みました。文学部のサイトや京大の研究成果にも目を通し、どのような要素が求められるのかを考えたり、先生方と相談したりしてみました。私は、留学やボランティアなどの特記できる経験もなく、英検などの検定も全く取得していなかったので、一般入試より戦略が必要と考えたのです。

令和5年度京都大学特色入試学生募集要項2ページより引用
令和5年度京都大学特色入試学生募集要項10ページより引用

 上の画像は令和5年度の特色入試募集要項に書いてある京都大学の基本理念と文学部の求める人物像です。ここからどの要素に注目しますか?
あくまで個人の見解ですが、私なら、
・地球社会の調和ある共存に貢献する
・新たな知的価値を創出することをめざす
という部分に着目するかなと思います。これら2つの点を自らの経験に寄せながら考えるのが志望理由書作成や解答作成の基本枠組みになってきそうです。以下に書く”一貫性” にもつながってきます。
 


3、自らのアピールの場となる

 私が受験した文学部の特色入試では、面接や口頭試問がありませんでした。試験官に”話しかけられる”のは、当日の解答用紙と事前提出の志望理由書のみでした。そこで意識したのは、”一貫性” です。志望理由書で自らの強みとした箇所は、第2次選抜の解答にもふんだんに取り入れました。試験では4つの文章を書き、うち2つに自分の考えを書いたのですが、その2問でもできるだけブレないようにしました。異なる課題論文でいかに統一感を出すかというのも後々書いてみます。
 一貫性のために私は志望理由書を覚えられるほど読み込んでいました。それを念頭にして小論文を書いたり、論述の練習をしました。普段から志望理由の要素や自分の強みを盛り込む癖をつけるようにしました。
 文章構成力も大切です。小論文の参考書には様々な構成が紹介してあります。それらを参考にして文章を書き、先生方や友人に読んでもらい、最も印象に残る構成がいいかもしれません。セオリーの中で最もアピールできる構成、もしくは自分が書きやすい構成を把握しておくことも重要だと思います。
 これらの大前提に自分のアピールポイントをしっかりと把握し、言語化しておくことが不可欠です。


今回は、試験での文章を書く前段階で私が意識していたことをまとめてみました。お読みいただきありがとうございます。


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