看護師に何かできるなんておこがましいよ。

私は今、緩和ケア病棟で働いています。
緩和ケア病棟は基本的には
終末期の方が入院されていて
苦しくないように
症状をコントロールし
お看取りまで支援することが目的の病棟です。

「看護師がなにかできるなんてきっとおこがましいと思うのよ。」

昨日、夜勤で一緒だった先輩の言葉。

夜勤でお亡くなりになった患者さんがいた。
私は受け持つことが3回目で、
ご家族には初めてお会いした。
なんてお声をかけたら良いのかわからない。

まずは亡くなった時の状況をお伝えし、
穏やかな表情をされていて、
苦しさや痛みは感じていなかったはずですと
お伝えした。

まだ私がお看取りも経験が少ないため、
先輩は私がご家族にお話する間も
ついていてくださって
話もフォローしてくださった。

お見送りしたあとに、
なんてお声かけをしたら良いか
わからなかったと言ったら先輩が
「私たちにできることなんて
ほんのわずか。
事実をお伝えするしかない。
ご家族や患者さんに合わせて
お気持ちを聞いたり、
お声かけしたり。
看護師になにかできるなんて
おこがましいよ。」

私は自然となにか特別なことか
言わなければとか
なにか力になれることが
あるんじゃないかと
思っていたのかもしれません。

私たちがお会いしたのは
患者さんの長い人生のほんの一瞬です。
患者さんとご家族が
乗り越えてきた人生の方が
はるかに長い。
その一瞬で出会った看護師が
かけられる言葉は多くない。
なにかできることなんておこがましい。

おこがましいと何度か繰り返した先輩は
看護師歴17年目。私より若い彼女は
色々な経験をして
私に昨日伝えてくれたんだなと思いました。





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