祖母への追悼

「来たぁぁぁ〜」

無機質な閃光の中、あなたがそう泣くのを聞いた。

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子どもの頃に、あなたがしてくれた話を覚えています。

戦時中、女学生だったあなたは、草原の中で友人が吹き飛ばされるのを見た。

軍人だった父に、女が大学なんてと非難されても、あなたはお金をためて自らの力で大学を出た。

気の強いあなたは女性活動家として、女性の社会進出に貢献もしました。

あなたは教鞭をとり、非行少年たちと体当たりで向き合いながら、生涯教師として勤め上げましたね。

退職してからも、認知症で記憶がチグハグになってしまうまで、塾の講師として教育に励んだあなたは、本当に教師の鑑です。

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ふくよかだったあなたは、気づけば見る影もなく痩せ細っていた。

あなたの実の子である私の父の名前も、孫の私の名前も、あなたの人生の記憶に呑み込まれていった。

殺伐として無機質な老人ホームのベッドで、あなたはこれまでの道のりを辿っていたのでしょうか。

時折り数式を唱えていたのが、教師だったあなたらしい。

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言いたいことは、たくさんあります。
いくつか後悔していることも。

ろくに勉強もしてこなかった私は、大人になってから勉学の大切さを知りました。

そうして、あなたに教えを受ければ良かったと、幾度後悔したか分かりません。

今は、机に向かうたび、あなたのことを思い出しては励みにしています。

最後に、記憶に呑み込まれながら苦しんでいるあなたとちゃんと向き合えなかったこと。

何よりも後悔しています。

「来たぁぁぁ〜」と泣いて喜ぶあなたの姿。
思い出しては、何かが溢れ出てしまいそうな気持ちになります。

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決して平坦ではない人生を、本当にお疲れ様でした。

あなたを私の人生にしっかりと刻んで生きていきます。

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