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中小企業のカーボンニュートラルに関するデータを読んでみた

皆さんごきげんいかがでしょうか。

カーボンニュートラルに関する中小企業の実際。
この記事を読まれている方も気になるところではないでしょうか?

「ESGとかSDGsとか言ってるけど、実際のところどうよ。」

こう思ってネットを調べると、「ESG礼賛」とか、「脱炭素はクソ」みたいにポジティブ、ネガティブ両方の極端な記事がヒットします。

物事に100点も0点もありませんから、どちらか一方を信じることはできませんね。

しかし、これらの脱炭素系の記事って定性的なものが多いんですよ。
定量的な記事ってそうそうない。
(自分のことを棚に上げて、何言ってるんだお前は…)

少なくとも私がネットでフンフンフン♪とご機嫌に検索かけて出てくるものはその程度のものです。

「そんなマジなデータがほしければ金を払え」

おっしゃるとおりです。
金も払わずに確度の高い情報が欲しいなんて虫の良すぎる話です。

ですがほら、できることならタダがいいじゃないですか。
我々、中小企業は爪に火を灯して日々仕事をしているんです。

こんな私が、つるセコ(年齢がバレる)ネット検索をしていたところ、興味深い情報にぶち当たりました。

今回はそれを皆さんにご紹介しようと思います。

https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/2024/shokibo/b1_4_5.html

こちらは2024年度版小規模企業白書で、その中の第5節 GX(グリーン・トランスフォーメーション)の項目です。

グラフとそれに関する分析記事が書かれており、日本における中小企業を取り巻く脱炭素の現況を中立的に見ることができます。

例えば冒頭の記事はこうです。

第1-4-26図は、2019年から2023年までの5年間における脱炭素化の取組状況の推移を見たものである。これを見ると、脱炭素化に取り組む企業は年々増加しており、取組状況も徐々に進展してきていることが分かる。しかしながら、「段階1:気候変動対応やCO2削減に係る取組の重要性について理解している」の企業が依然として最も多く、段階2以上の企業の割合は2023年時点でも2割程度と少ない状況にあるため、脱炭素化の取組の重要性を理解するところから、実際の取組着手に至るまでに障壁を抱える企業が多いことが示唆される。

中小企業庁 2024年度版 小規模事業白書
2024年度版 小規模事業白書

「段階2以上の企業の割合は2023年時点でも2割程度と少ない状況にある」

菅首相がカーボンニュートラル宣言をしたのが2020年10月です。国策として取り組む姿勢を示した割には、浸透具合は微妙です。

次にご紹介するのは脱炭素化の取組状況です。ここでは業種別取組状況を2020年のものと2023年のものとでグラフを示して、比較しています。

2024年度版 小規模事業白書

ご覧になってお分かりの通り、小売業より上位の業種において、段階2から段階5の伸びが顕著となっています。

これは所謂サプライチェーンの上流から下流にかけてCO2排出量可視化や削減を要請する動きが出てきたことを示すものだと考えられます。

この白書、GXのみならず多方面の情報が満載です。私がこのGXの項目を読んで感じたことを以下にまとめてみました。

企業の脱炭素化の進捗状況は「理解していない」「把握している」「削減行動を検討している」「取り組んでいる」など6段階に分類され、現状では多くの企業が「重要性は理解している」段階にとどまっており、実際の削減行動に移行している企業は少数です。

この課題に対処するためには、各企業で推進担当部署を設け、脱炭素化の取り組みを社内に根付かせることが必要です。取組が進んだ企業ほど、社内で推進担当を明確にする傾向があり、組織全体で脱炭素化に向けた戦略的な行動を実施していることがわかります。

具体的な脱炭素化の取り組みとしては、まず省エネルギー施策が多く採用されています。省エネは初期投資が少なく、削減効果も見えやすいことから、中小企業でも始めやすい施策として位置付けられています。

しかし、取組が進むにつれて、単にエネルギー消費を抑えるだけでなく、CO2排出量の算定や削減目標の設定、さらにはエネルギーの再生可能エネルギー源への転換など、より包括的かつ戦略的な施策が求められています。

白書はまた、中小企業がこれらの取り組みを実施する上での障壁として、コストや専門知識の不足を挙げ、脱炭素化の推進には政府の支援も必要であると指摘しています。

政府による補助金制度や専門的なアドバイス提供の拡充が、企業の負担を軽減し、脱炭素化の促進に寄与するとされています。

こうした施策の充実により、中小企業がコスト削減ブランド価値向上、さらに新規顧客の獲得など、長期的な利益を享受できる可能性が期待されています。

以上はあくまでも私の読み方です。

このような特に何の色もついていないデータは非常に有益なので、興味があればみなさん一読されてはいかがでしょうか。

読む時間なんかないよと言う多忙な方はAIなどを利用して要約してもらえばいいんじゃないでしょうか。(シゴデキなビジネスパーソンは、この手の統計情報も普通に読みこなしているんでしょうね…)※シゴデキビジネスパーソンをイメージしたサムネイル画像を冒頭に上げておきました。

この白書を読んでこれこれこういうことも考えられないか?的な分析があれば是非私にも教えて下さい。

今回も長文最後までお読みいただきありがとうございました。