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世界史と哲学

学生時代、
世界史・日本史に手こずったのはわたしだ。
どこそこで何年にどんな戦いがあったとか、
だれそれの政策が何と言うとか、
時代も、
地図上の位置も、
人の名前も、
暗記することに苦労した。
社会科教師より受けた放課後補習でわかりやすい年表を作成し、
テストのために暗記したそれらは、
紙面上に置き捨てられ、
今や自分の40余年の歴史すら曖昧な部分があるときたものだ。


テストの点数に必死だった頃には考えもしなかったが、
歴史から学ぶものがあるのだと、
今なら理解する程度にはいる。
歴史を忘れていながら一体何を学ぶのだという声が聴こえる…


先日書店で見つけた一冊の本のタイトルに惹かれてレジに持っていった。

「2時間で…」というのは、
まぁわたしの読書スピードではおそらく無理な時間だろうとは思っていたが、
それでも魅力的なワードだった。
読んでみた感想は…



「面白かった。けれど、年代がうねうね動くし、場所がわからないし、人の名前なのか土地の名前なのか政策の名前なのか判断できないし、読めない漢字でいちいち止まっちゃう」


以上。


年代が進んだと思ったら思いっきり戻ったりして、
今いつの時代の話をしているのかがわからず、
ヨーロッパのこの時代が中国のどの時代で、
何があったからこっちであんな影響があって、
そういったことが文字を目で追っているだけでは整理ができなかった。
カタカナのいろんな名前がたくさん並び、
人の名前かと思えば朝の名前だったり。
その度に思考がピタッと止まる。
それが残念だった。


読後思ったのは、
年表が見たい、と。
地図上で動きがわかりやすいのが見たい、と。
意外にも更に興味を持ったのだ。
この本だけでは、
noteで読書記録としては残せない。
他に読みやすい本はないだろうか。
そしてAmazonでポチったのがこちら。

そしてこちら。

図鑑は、
図鑑だった。(図鑑って書いてあるじゃん)
社会の教科書と一緒に手にしていたような図鑑だった。
「一度読んだら…」は、
今半分ほど読み進んでいる段階だけれど、
この本の面白いところは、
年代と土地のごちゃごちゃウネウネが歴史を苦手とする一因であると理解してくれていることだ。
半分読んでいて、
それは実感できている。
人の名前や朝の名前が出てくることには違いないのだが、
それでも人間味を感じるような文章で書かれているので、
遠い過去の時代も少し身近に感じられる。


図鑑に載っている地図を眺めていると、
ふとマルクス・アウレリウスの「自省録」を思い出した。

はるか上空から地球を見下ろして、
その下で起きている争いなど人々の動きを想像していると、
過去でも現代でも上からみたら何も変わらないんだよなと。
地上で起こっている出来事の本質は、
過去も現代も対して変わっていないではないか。
歴史を知ることは、
哲学を学ぶことになるのではないだろうか。
そんなことをパンのミミのほんのちょこっとかじったやつの戯れ言だと思ってどうか聞き流してほしい。




世界史を読もうと思ったきっかけは、
Mrs.GREEN APPLEの楽曲「コロンブス」で制作されたMVが騒がれたことだった。
人種差別を想起させる内容だと言われ、
さらにコロンブスやナポレオンという人間の持つ歴史など、
様々な要素が図像術のように組み合わさって今回の騒動へと繋がってしまった。
わたしはMVを公開時間に合わせて観ていたし、
その後も数回観ていたが、
翌日SNS上で騒いでいることを知るまで、
MVの内容に引っかかりさえなく視聴した人間だ。
そうして初めてコロンブスの歴史を知る。
猿が出てきた時も、
歌詞の中に「500万年前」というワードがあったから、
人間の祖先として類人猿が登場したのかなと思っていた。
(それにしては家が現代風だったが)
そもそもMVを深読みすることがなかったので、
画像に対して「なぜ?」「どうして?」とかは思わない。
観ていて楽しいかどうか。
好きか嫌いか。
そんな程度。
実際わたしが学生の頃に習ったコロンブスとはアメリカ大陸を発見した人程度のものだった。
今回の件はMVを削除するという結果にはなったけれど、
わたしにとってはコロンブスを知る機会になったのだから、
それはある意味良かったと思っている。


これから大航海時代の部分に突入する。
また読後に感想が書けたらいいなと思う。


最後まで読んでいただき、
ありがとうございました。

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