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不器用なボ クラ

わたしは小学生のバレーボールの監督なんですが、
この時期は毎年怒涛の試合ラッシュシーズンで。
正月が明けてからは、
ほぼ週末が埋まるという…
覚悟はしているけれど、
やっぱ体力的にはなかなかキツい。
次の休みまで折り返し地点にきた!!
さぁガンバレこの肉体よ!!


そしたらですね、
バタバタ体調不良が出てしまい、
人数不足により試合を欠場することに。
ついでにチーム内人数半数超えなものだから、
念の為…とチーム閉鎖を決定。
週末の練習も中止にしたのです。


こうして棚ぼた休暇ができたので、
実は諦めていた映画を観に行けるではないか!!と、
ちょっと鼻息荒め、
足取り軽く、
心はスキップで映画観に行きました。
体調不良でしんどい子どもたちには申し訳ないが、
ってか最低な指導者だが、
ウキウキで出かけたのだった。(←最低)


ということで…
映画と主題歌「ナハトムジーク」の答え合わせをしたいと思います。

       ⚠ WARNING ⚠

ここより先はネタバレエリアとなります。
未視聴でこれから視聴予定の方、また視聴後に読んでいただけましたらば大変嬉しいです。

そして長くなってます…m(_ _)m



あらすじ

声を捨て、毎日をただ生きているだけの蒼。ある日、不慮の事故で視力を失い絶望の中でもがく音大生・美夏と出会う。何があってもピアニストになるという夢を諦めない美夏に心を奪われた蒼は、彼女をすべてから護ろうとする。だが、美夏に想いを伝える方法は、そっと触れる人差し指とガムランボールの音色だけ。蒼の不器用すぎる優しさが、ようやく美夏の傷ついた心に届き始めた時、運命がふたりを飲み込んでいく──。

「サイレント ラブ」公式サイト

山田涼介演じる蒼は過去の出来事で声を失う。
殺人の前科がある。
だがその事件もそもそもが蒼は被害者だった。
だったのだけど、
格闘技を身に付けているなど、
人より頑強な身体であるが故に、
応酬という形が最悪の結果を招いてしまった。
そうして蒼の人生は後ろ暗い過去と、
ただ目的のない未来が待つ世界で生きていた。


浜辺美波演じる美夏は、
音大で首席でもあるピアノ課の学生。
そしてお嬢様。
だが交通事故に巻き込まれ大怪我を負い、
網膜剥離で視力を奪われ、
手の痺れが残り絶望する。
目は手術を行い時間が経てばある程度の視力が戻るだろうと言われていた。
手の痺れに関しても、
おそらくリハビリ等で回復できるくらいではあったのではないかと思う。
それでも元に戻る保証もなければ、
今までの自分の居場所が奪われることの不安と屈辱が美夏を孤独にさせる。


絶望する美夏に手を差し出した蒼。
姿は見えないし、
声も聞くことができないが、
確かにそこに居て助けてくれる。
不安で怖くて悲しくなった時も、
転んだ時も、
そこに居てくれる。
蒼の手はピアノを奏でることはできないが、
自分を助けてくれる「神の手」と言った。


ピアノ課の生徒だと偽ってしまった蒼は、
たまたま弾いていた北村(野村周平)のピアノに感動し、
自分の代わりに美夏の前で演奏してほしいと願い出る。
北村もまた富裕層育ちでプライドが高い。
これは本編で触れていなかったと思うが、
おそらくプロにはなれなかったことが彼の性格を歪めたのではないかと思う。
豪遊し、
裏カジノで憂さを晴らす日々。
音大で講師を努めながらも、
北村もまた目的のない未来を過ごそうとしていた。
そんな中で蒼と出会い、
金銭の見返りにピアノを代奏する。
そんなことを繰り返す中、
自分の弾くピアノを心から喜んで耳を傾けてくれる美夏に対して、
ほんの少しの自信を取り戻す。
そしてそんな美夏に気持ちが傾いていく。


いつも寄り添い手を差し出してくれる蒼に、
いつも寄り添ってくれて自分の汚れた手を大切にとってくれる美夏に、
お互いが想い合っていることはわかっていた。
実はピアノを弾いているのは別人だと気付いていながらも、
それでも自分のピアノを楽しんでくれる美夏に、
思わず自分の好意を美夏にぶつけてしまった北村。



そしてずれ始めていく。


ちょっとした苛立ち。
ちょっとした誤解。
ちょっとした思い遣り。
ちょっとした出来事が積み重なり、
やがて大きなズレとなり、
これまで積み重ねてきたものが大きく崩れる。


蒼は罪を重ね、
北村は自分の過去の報いを受け、
美夏は見えないのをいい事に真実を隠される。


それぞれがまた過去を背負い、
また目的のない未来が待つのみ。


そんな中、
夢を叶えてほしいという蒼の言葉を胸に、
北村を支え支えられながら進む美夏。
長く重ねてきた努力が実を結び夢を叶える。
ただ自責の念に潰されそうな美夏。
そして美夏の想いを知りながらも、
自分を支えてくれる彼女を離したくない北村もまた自分を責めていた。
もう自分は自分の足で歩けると、
美夏を蒼の元へと誘う。


そして再会できるんですね。
はい。


え?
締め方ザツ!


あらすじいるんか?
ってくらいにネタバレ晒してるなぁ。


  ここよりナハトムジークの答え合わせです。

未視聴時に、
ナハトムジークの考察をしましたが、
どんな風にイメージが変わったのだろうか。
↓これ前回。


↓そして視聴後。

最初の3行
これは蒼の事。

次の3行
これは美夏の事。

やはり二人のストーリーが歌詞になっていた。
ここは正解。

そしてふたりの思いが重なる。
誰か助けてと。

でもこっから先が理解を間違えたようだ。

作中登場した人物は、
みんな何かしら不器用に生きていた。
一見悪役の人間ですら、
生きるのに必死で、
歌詞の言葉を借りるならば、
「矛盾こそ生きるための美だ」
「等しい僕ら」
この言葉が表していたのではないだろうか。


色んな愛のカタチがあって、
それぞれが自分なりの愛を形作り、
積み木のように積んでいく。
だけどカタチは様々で、
しかも少しずつズレて積み上がっていて、
ある時それは崩れてしまう。
だれが手を触れたわけでもなく、
ほんの「微弱な風」が吹いただけ。
誰のせいでもないし、
積み上げてきたことは無駄じゃないし、
間違っていない。
お互いが信じようとすれば、
また何度でも一緒に積み上げてゆける。


こんな感じかな。
今のわたしの理解力の限界。


さてナハトムジーク。
Nhato ⇨ 夜
Musiq ⇨ 音楽
夜曲という意味のようだが、
作中夜のシーンが目立たない。
夜に打ちひしがれるとか、
眠れない夜を過ごすとか、
そういったシーンはない。



では何故このタイトルを選んだのか。


作詞家・大森元貴は言った。
夜は孤独になる瞬間だと。
内省する時間だとも言っていた。



この「夜」とは、
一日の終わりではなく、
いつか迎える生の終わりのことなのでは?
みな死ぬ時は孤独だと言う。
その時を「今」迎えようとしている訳ではないが、
夜眠りに就くのは、
最期を意識する時間なのかもしれない。
最期を迎える時に、
自分はどんな歌を歌っていられるだろうか。
悲しい歌?
怒りに満ちた歌?


できれば、
愛で溢れた歌を歌っていたい。


そんな風に感じた。


最後まで読んでいただき、
ありがとうございました。

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