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おはようございます。Martです。
昨日から天気予報で言われてましたが、今朝起きたら雨が降っており地面やクルマが濡れていました。この辺りは土埃がひどかったので、これで少し抑えられるのかなと喜んでます。
今はかなり小ぶりになってますが、今日は構わないので、思う存分降っちゃって下さいw。

そもそも「ロケツーリズム」とは

さて今日のお題は「ロケツーリズム」について。
私は、以前勤めていた会社で「撮影場所を貸し出して収益化する」という新しい事業の立ち上げに関わりました。この時知ったのがこの言葉です。

「ロケツーリズムとは、映画・ドラマのロケ地を訪ね、風景と食を堪能し、人々の“おもてなし”に触れ、 その地域のファンになることであり、朝の連続テレビ小説や大河ドラマの例を見ても分かるように、そのインパクトも大きいことから、ロケ地となった地域での持続的な観光振興の取組につながる観光資源として有望である。」Googleより引用。

今流行りの言葉で言えば「聖地巡礼」ですね。映画や歌の歌詞などで扱われた場所を訪ね、作品のイメージや登場人物たちの心情を共有することでその作者の思いや感情に触れる旅を行うことです。

この“受け手の反応”を積極的に利用し、訪れた街や土地を盛り上げよう=地方創生ということで、観光庁(国交省)や経産省などが最近力を入れて推し進めている国家政策の一つでもあり、「ロケツーリズム協議会」という団体がその推進役になっています。

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ロケツーリズム協議会とは

ロケツーリズム協議会の活動内容は、映画やドラマなどの撮影を誘致することで観光資源を拡大したい市町村と、撮影をより有利な条件で行いたい映像制作会社とをマッチングすることで観光資源拡大の動きを加速させることになります。

コロナ禍以前はインバウンド需要も見込んだ大きなプロジェクトでしたが、現在は国外からのお客様が極端に減少している関係で、もっぱら“国内向け”の動きが中心となっております。しかしコロナ禍収束後も見越し今地方自治体が真剣に考えておくべき課題として、多くの市町村の首長レベルが注目していると言われています。
年に数回行われる会合では、多くの首長さんや観光担当者などの地方自治体関係の出席者と、映画・ドラマ制作などを行う映画会社・TV局関係者、映像制作会社やフリーの制作者が集い、お互いの情報交換を積極的に行っています。

私も数回参加させていただきましたが皆さんとても熱心で、特に誘致側の市町村の担当者は積極的に制作者の元を訪れ該当地の良さをアッピールしておりました。
こういったマッチング作業は、個別に行うよりもこういった会合で行った方がはるかに効率がよく、実際に撮影が実現したという数多く事例報告がされていることもあり、ロケツーリズム協議会の存在意義は年々大きくなっていると言えるでしょう。

付け加えますが、地方自治体関係者のみではなく、当時私が属していた民間で多くのスペースを有している企業も参加しており、「撮影場所を貸す」というビジネスモデルを積極的に取り入れようという民間の動きの活発化も顕著でした。

ロケツーリズムの威力

一般的に“観光地”と呼ばれる場所は、古い歴史ある都・地域や圧倒的な風景、レジャーに適しているなどの大きな特徴を持っており、その魅力に惹かれ人々は自然に足を運ぶような傾向がありますが、こういった“圧倒的”な魅力に乏しくても、何かのキッカケでその場所の良さや魅力を発見され、“あるがまま”なのに人がやってくる様になるということも多々あります。

最近では新海誠監督のアニメ映画「君の名は。」で奇跡の起こる場所となった岐阜県飛騨地方や最後に主人公二人がすれ違う東京・四谷の須賀神社の階段などが「聖地」として多くの人々に“巡礼”されましたし、少し前では、福山雅治さんの楽曲「桜坂」の舞台となった大田区の田園調布本町にも多くの人々が訪れました。

これらの場所は、行ってみると確かに何かを感じさせる“雰囲気”は持っているものの、その魅力に多くの人が気づかずに通り過ぎる、あるいはまるで眼中に入らない場所ですが、先のようなキッカケがあれば魅力が倍増し、多くの人を呼び寄せる力を持つことになります。

これこそが「ロケツーリズムの威力」です。

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桜満開の桜坂「写真提供:大田区広報課」

あるがままの良さ、再発見

自分の住む地域の良さ、素のままの風景や人々の暮らしにまつわる施設や形態など、普段当たり前の風景や雰囲気は、住んでいる人間にはわかりにくい、気づきにくいものだと思います。

私が今回、千葉県佐倉市にやってきて最初に思ったのは「ここはフォトジェニックな場所が多い土地だな」ということ。城下町の町並みがそのまま残った街道や城壁跡などがそこここに存在し、ノドカな田園風景や多少都会っぽさのあるエリア、家も江戸時代から存在するような土塀のある屋敷から近代的な高層マンション、駅も立派ですし、一つの場所で、これだけ多くのシーンの撮影をイメージできる場所もそうないんじゃないか?ということです。
また、東京からも比較的アクセスしやすく日帰りで撮影が行えますし、大人数のロケ隊が移動するにも道路も十分整備されており、どこも駐車スペースには困らないなど、撮影場所としての“好条件”が多くあります。

以上のような理由から、以前この手の事業を手がけた私にとってはとても魅力的な場所に見えたのですが、“撮影業界事情”などに疎い方には恐らく永遠に気がつくことはないポイントでしょう。
この辺り一度市役所の担当者にでも話をしに行きたいと思っていますが、さていつになることやら…w。

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どんな場所でも、ロケツーリズムは実現可能

撮影隊が思い描いているイメージはある意味「無限」です。誰も監督やプロデューサーの頭の中を覗けないので、どんな場所を想定しているのかは誰にもわかりません。なので「自分たちのエリアはそんな魅力はない」と諦めることはないのです。
どんな場所・エリアにも撮影場所として有効に使える場所である可能性があり、それがキッカケとなりその場所に多くの人々がやって来て地域が潤う、という夢を抱いても良いと思います。

肝心なのは、それらの魅力を発信すること。

どんな人がどんな場所で感性を刺激され、その場所で作品を作り始めるかは予想がつきません。ならば少しでも多くの機会を捉えて自分たちのエリアをアッピールし、多くの人達(制作者中心)の脳みそにインプットしてもらえるかが勝負の決め手になると思います。
地方自治体や不動産会社の担当者の方、一度真剣に考えてみては如何でしょうか?よろしければ私もお手伝いいたします。

ではまた!

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