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誰が捌く?どう捌く?子どもの解釈②

今回はYushi(ゆーし)@探究の教師さんとよしさと@小学校教員さんから
投稿いただきました。

このページは、よしさと@小学校教員さんの記事です。

Yushi(ゆーし)@探究の教師さんの記事はこちら↓↓

こんにちは。今回がましゅまろの会初参加、よしさとです。
尊敬する「けんけん先生」の国語実践発表にお邪魔しました。
運営側の指名を受け、どんな発表だったのかを私なりに振り返ります。
拙い文章ご容赦下さい。よろしくお願いします。



1 「国語科指導のわからない」を乗り越える発表

「国語で正確に理解し適切に表現する資質・能力の育成」

これは現行学習指導要領に載っている国語科の到達目標です。

これを達成するために日々苦心している先生方は多いはず。そもそも日本人の3分の1が「日本語」を読めていないとされる昨今。目の前の子ども達だけでなく、我々教師の中にも、国語科で苦しむ先生は多いことでしょう。

何よりよく聞くのが、「国語科をどのように指導すれば良いかわからない」という悩み。辿り着く解が収束されがちな算数科の授業と比べ、国語科は圧倒的に「何を、どうすれば良いか」がわかりにくい…何を隠そう、初任の頃の私も同じ気持ちでした。

そんな皆様に朗報です。

今回けんけん先生が提案してくださった「読みのものさし」。
子ども達と共有できれば、

「教師の指導の方向性確立」 と 「子ども達の読みの現在地把握」

に大変有効です。

今回は物語文に対応したものさしでしたが、応用すれば説明文や論説文でも十分応用可能だと思われます。

文章を読み、叙述を基にしつつ、子ども達が教師、そして仲間との対話を積み重ねながら、階層を上り下りして高め合えることが理想でしょう。実践の詳細や、国語科授業全般に関する質問、相談があれば、ぜひけんけん先生と繋がってみてください。


2 悪意なき盲目を乗り越える発表

 けんけん先生は発表の中で、読みのものさしを使った学習に関する子ども達へのアンケート結果を載せていました。調査した結果、8割の子達が肯定的な感想を持っている一方、2割の子達が否定的な感想を抱いたそうです。

 8割の子達が肯定してくれたならば、「打った手立てとしては十分成功」と言えるかもしれません。ですがけんけん先生は、残り2割の子達にも目を向け、対話を通した分析を行っていました。

 我々は時折、「大多数の子達にとって効果があった」という結果に目が行き過ぎて、「大多数の中に含まれなかった子達」への意識を疎かにしてしまうことがあるかもしれません。言い換えれば、「手応えを感じた手段ばかりに気を取られ、肝心の子ども達に目がいかない状態」でしょうか。私はこれを「悪意なき盲目」と呼ぶようにしています。

 当たり前ですが、我々は子ども達に関するプロであって、教育技術、手法の専門家ではありません。最も拘るべきは、目の前にいる子ども達のはずです。強い光の傍で伸びる影にも敏感でありたいものです。


3 「地獄」を乗り越える術を見出せる発表

 突然ですが、私は最近、教員としての自分が何をしたいのかよくわかりません。

良い授業とは何か。良い教師とは何か。良き教育とは何か。

良き人とは何か。良き人生、良き生涯とは何かetc…

学び続ければ答えが出る。

あるいは、学び続けるからこそ子ども達の前に立ち続けられる。そう思い、初任から今に至るまで、自分なりに学び続けてきました。

ところが、学べば学ぶほど、わかりたかったものがさらにわからなくなっています。

 「学経てば憂いなし」…愛読書である「老子」の一文です。

学ぶことを捨てていない私は、小さな「地獄」の中をさまよっています。


 そんな中、けんけん先生の発表の中でとある場面に出くわしました。

何の変哲もない、子ども達同士の対話の場面。

物語の終盤。おばさんに頷くちいちゃんの心境を、これまでの読解と対話を土台に、時間をかけて話し合う3年生の男子児童…

 不思議と笑みがこぼれていました。気持ち悪いくらいニコニコしていたかもしれません。

 なんの変哲もない、対話という名の地味で飾り気のない行為を、ひたむきに積み上げ、解なき問いの解を見出そうとする小学3年生の姿が、なんともかわいらしく、不思議と勇気づけられるものだったことを覚えています。

 対話とは、一種の「もがき」なのかもしれないと感じています。

解が見えない。もしかしたら解なんてどこにもないかもしれない。そんな「問い」という海に叩き落された際に行われる、ただの「延命行為」でしかないのかもしれません。

ですが、命無くして未来はありません。真っ暗闇の海の中、もがいてもがいて命を繋ぐ。それだって立派な命の輝きではないでしょうか。そんな気持ち悪いことを、齢9歳小学男児から学び取る成人男性が私です。

 なるほど。地獄は「抜け出す」のではなく、ひたすらに「もがき続ける」のか。

 対話を通した国語科授業の極意のみならず、僕自身をとりまくしょうもない「地獄」を生きる心得を、けんけん先生の素敵な教え子さん達から教わりました。

発表振り返りは以上です、ありがとうございました。

とりあえずジム行きます。(対話はどうした)


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