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映画ターミナルのような話し Part3 ①
目覚めると簡単な身支度を整えアンマドおじさんが迎えに来る時間までコーヒーを飲みながら外を眺める。
相変わらずヌーの群れ(車)は大群で道を埋めつくしている。
たった1日なのに色んな人との出会いがあったなぁと、昨日出会った人達の顔を思い出す。
最初に浮かんだのは何故か2:8の分け目の爽やかお兄さんだった。
アンマドおじさんから「着いたよ」と連絡が来て、ロビーに降りると朝の挨拶をかわし、そのまま空港まで向かう。
昨日は空港からここまで半日かかったのに(寄り道したから)ものの20分くらいで空港の近くまで来ていた。
相変わらずアンマドおじさんとは楽しくおしゃべりして、おじさんの家族はキャンディと言う街に住んでいると知る。
「とても良い所だから、いつか遊びにおいで。君は私の娘なんだからいつでもウェルカムだからね」とニコニコしていた。
「もちろん!ありがとう」と再会を約束する。
結局アンマドおじさんは昨日受け取らなかったチップを今日も受け取らなかった。
「またおいで」と見送ってくれていざ、モルディブに帰る。
コロンボの空港は、ちょっと暇つぶしが難しい。
改装中だったのもあり、心躍るものがほとんどないからだ。
なんならちょっとしたカフェもない。
それから荷物検査などがとても混む。
なので 早々と出国カウンターに並んで 居心地のよい場所を見つけて 居眠りしながら飛行機を待つのが良い。
飛行機が到着し案内に従って飛行機に乗り込むと、
へそ出しのサリーみたいな制服のスリランカ航空のCAさんが
「あぃぼわぁ~ん」と両手を合わせてセクシーに挨拶をしてくれる。
![画像1](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/27354719/picture_pc_bc4b084f85cc955807f2e9d82b6c9965.jpg)
シートに座って直ぐにCAさんに「ブランケットをください」とお願いする。
海外の飛行機あるあるかもだけど、スリランカ航空は死ぬほど寒い。
冷房がものすごいのだ。
できるだけ早めにブランケットを貰っておかないと、いつまでたっても持ってきてくれないのがスリランカ航空。
(以後、マイブランケットを持参するようにしている)
席につきシートベルトをして早速眠る。
「…ス。ミス!」肩を揺さぶられて目を覚ます。
いつの間にか離陸していた。
顔を上げて声の方に目をやると ラップに包まれたサンドイッチを差し出すCAさん。
(そこまでしてサンドイッチを… )
お腹は空いてなかったからサンドイッチをバッグにしまった。
モルディブ到着
窓の外に綺麗な青の迷彩の海が見え始める。
ネイビー、ターコイズブルー、ミントグリーン、様々な青や青緑の海と島が見えてくる。
「モルディブ」とは「真珠の首飾り」と言う意味が昔の言葉であると聞いた。
いつの時代からそう呼ばれているのか分からないけど、そんな昔に一体誰が空からこの国を見て名付けたんだろうと不思議でたまらない。
実はナスカの地上絵くらいのミステリーだと思う。
入国拒否
![画像2](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/27357607/picture_pc_be8f30e2135bad161ac0114fe34ff20b.jpg?width=1200)
到着し、いつものように入国する。
顔見知りのスタッフが「Hi マリー」と挨拶してくれる。
入国審査官のイマッドが「おかえりマリー」と言いながら書類にスタンプを押そうとした手をふいに止めた。
何度か書類を見直して、どこかに電話をかけはじめた。
「エ ミーヘ ナンバルタファートゥワーニ」そのディベビ語のフレーズで「あら。これはやばい」と察した。
どうやら何かのナンバーが違うらしい。
「マリーごめん、あっちで待ってて」
30分待たされる。
その間に職場のマネージャーに電話をかけて「何やらプロブレムだ」と伝える。
マネージャーは「HAHAHA No problem」といい、「いや、プロブレムなんだってば」と状況を説明すると、調べてみるから言われた通りにしといてと電話を切る。
さらに30分。
もう、旅行客は誰もいない。
なんなら入国審査のスタッフもセキュリティも誰もいない。
(どうしたものかな… )
ぼーっと考えているとアーミーみたいなセキュリティ2人とイマッド、それともう1人知らないスーツのスタッフがこちらにやって来た。
「君のパスポートナンバーとワークビザに書かれたパスポートナンバーが違うので君は入国できないから、今からスリランカに強制送還する。クレジットカードはあるか?」と聞かれる。
(これはガチのやつやん。笑い事じゃないやん)
(明後日のウェディングはどうしよう)
仕事に穴が開けられないことが最優先で頭の中グルグルして咄嗟に100ドル持っていると嘘をついた。
(本当はもっとあるし、クレジットカードもある)
「100ドルか…」そのスーツの真面目そうなスタッフが少し考えるとイマッドがすかさずフォローをしてくれた。
「100ドルじゃスリランカに戻ってもホテルも食事も出来ないですよ」と。
「そうだな。。よし、保留!」
「君はこれから一旦。空港収容施設に拘束する」
………なんですと?
……………拘束?!
言われた通りに、両腕をセキュリティにがっしり捕まれ そのまま今まで行ったことのない空港の裏側に案内された。
本編 中 へつづく
(もう少しだ。がんばれ)
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