最近

比喩の日記

長い森を抜け、林を抜けた先の開けた丘に出た。
そこは見晴らしのいい光の射す丘だった。

新しい風がぶわ~っと吹いてきて
私はその風の新鮮さに喜び、感触を楽しむように
両手を広げて大きく呼吸をする。

その風は変わらず吹き続け
次第にその風の重さに少したじろぎ、恐れが芽生えた。
風は強い。
押されそうだ。

両手を広げたまま足を引き腰を下げて
飛ばされないようにしっかり踏ん張る。

きっと一旦背を向けてもいいだろうし、
森に引き返してもいいだろう。

それでもその風は顔に当たるとまだ心地がいいので
ここから風に乗って飛んでもいいかもしれない。

あちらを見ると誰かが楽しそうに
一足先に風に乗って飛び回っている。

羨ましい。

でも、本当はあの人も内心、
私のように風の大きさにたじろいでいるかもしれない。

どうしようと思いながら、もう、飛んじゃってるからずっと飛び続けてるのかもしれない。

…なんて事を考えてたらブルース・リーが

「Don't think… feel」と微笑む映像が浮かんだ。

やってみなきゃわからないし、
やってやれないことはないはず。

泣いても笑っても同じ一生。
なら、笑おうぞ。

風を楽しむには、やはり、まずは飛ばないとな。


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