「十の雲と十の歌」

秋の雲
ホットミルクの
カスみたい

体育の日
十月十日に
ならなくて

生まれたの
体育の日だと
いえないの

国民の
祝日ゆえの
悲劇かな

喜寿だとて
格別祝う
こともなく

ありがたい
冷えた空気に
あぁ陽射し

空浮かぶ
思いそれぞれ
雲運ぶ

あれがいま
触れてみたいと
秋の雲

あの場所に
とどいたときは
雲の中

溶けている
触れるのでなく
雲とひとつに