見出し画像

【読書感想メモ】絶版絵本、ファンに愛されるカワイイお話し『おやまのこぐま』

小学館の創作童話シリーズ5
『おやまのこぐま』
著者:浜田廣介、絵:西村達馬
昭和49年初版

久しぶりに書棚から出して読んでみました(*^^*)
とにかく挿絵が可愛くて、ほっこりした気持ちになります。

【あらすじ】
山に子熊と母熊が住んでいました。
母熊は、同じ山に住んでいる狐から、狐の娘の嫁入りのお祝いに人間の町で買ってきたくりきんとんを、お裾分けしてもらいました。
子熊はそれを貰い、くりきんとんが大好きになりました。

お腹の中から声がして、くりきんとんのある山があると教えられ、その山を探しに一人で出かけて行きます。

そんな山なんてないとうさぎから言われても、お腹の声に従って突き進みます。
途中、人間が山を開発するための工事音なども聞こえます。

洞穴に入ると、こうもりがいました。
くりきんとんを探すよりも、冬眠に備えなさいと諭されますが、居眠りしてしまいます。

夢の中で、かわいい小人に変わった蝙蝠に導かれ、雪の中の豪邸につきます。そこで、小人さんたちから、食べきれないほど、美味しいきんとんをふるまわれます。どっさり置かれたきんとんの山から現れた栗の目に見られ、今にもきんとんの山に埋もれそうな気がしたところで夢からさめました。

翌朝、きんとんのお山さがしはもうやめた、もうきんとんは欲しくないと、自分の山に帰っていきました。

【感想】
栗の季節の山が舞台の、とびきりカワイイ子熊のファンタジーです。
色々な動物が出てきてわくわくしました。

きんとんを人間の町から買ってきたり、人間が山を開発していたりと、人間との関わりも描かれていて、現実の世界との関わりを感じます。その一方で、人間が動物に色々な悪影響を与えていることも感じます。

子熊がお腹の声に従って、一人で、あるはずのない山を探しに行く冒険譚では、ハラハラしました。

そしてまさかの小人の登場と、夢の中の物語へ。
夢の中なんだから、何が起こっても不思議はありません。
ファンタジーの度合いをあげる際、少しロジカルなしかけになっている感じと言えるかもです。

いっぱい食べろとささやくお腹の声は…、欲望に負ける人間の声を表していたりして(;'∀')

根強い人気に納得です🐻💕

↓ 同じ作者の別の童話


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?