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【読書感想メモ】『やまなしもぎ』  おすすめ名作岩手民話

平野直 再話、太田大八 画
1977年発行、福音館書店
私が買った本は、78年発行第3刷です。

読んであげるなら4才から
自分で読むなら小学低学年から

現在も販売されている超ロングセラーの民話です。

作者の欄に、「作」ではなく、「再話」と書かれているところが著者のこだわりポイントなんだなあと伝わってきます。

奥付の著者の欄を見ると、ある高校の同級生から聞いたと別の同級生が教えてくれた、と書いてありました。

さすが民話の宝庫、岩手県。

大人になって読むと、絵の美しさ、音の響きの面白さに心惹かれます。
子どもの頃、この絵のタッチは少し怖く感じるかもしれません。

【あらすじ】
太郎、次郎、三郎という3人の兄弟がいました。
病気のお母さんが、「やまなし」を食べたいというので、太郎がとりに出かけました。

山に入っていくと、おばあさんがいて、お水をくれといいますが、急いでいるからと断ります。おばあさんは、それでも、分かれ道の正解を教えてくれます。太郎はそれでも道を間違えて、沼の主に食われます。

太郎が戻らないので、次は次郎が梨をもぎに出かけます。同じ失敗をします。

次郎も戻らないので、三郎が出かけます。おばあさんにお椀で水を汲んであげます。そうしたら、お椀と刀をくれました。分かれ道の正解の道に進み、沼の主に食われずに梨をもぐことができました。沼の主に食われそうになりましたが、おばあさんからもらった刀で魚を倒し、腹の中から太郎と次郎を助けます。お椀で水を飲ませると、元気になりました。

三人で帰りがけ、おばあさんはいませんでしたが、彼女が座っていた切り株の上に、梨を置いて帰ります。帰宅後、お母さんに梨を食べさせると、お母さんはすっかり元気になって、めでたしめでたしです。

起承転結があり、とても読みごたえがあります。
また、梨がたわわに実っている様子を「ざらん、ざらん」と表現したり、独特の擬音が興味をそそります。

困った人を助けると良いことがある。
アドバイスを聞く耳を持つことが大切である。
などの教訓が伝わってきます。



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