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一郎くんの箱庭療法〜「普通」の人のための箱庭療法の説明書【事例編】①〜

「普通」の人のための箱庭療法の説明書

箱庭療法という心理療法がある。

やり方はいたってシンプルで、砂が入った箱の中にミニチュアを並べて、好きなように表現するというだけ。

その表現されたものを、作り手であるクライエントと、見守り手であるカウンセラーが、一緒に味わうというものである。


箱庭療法の大きな特徴のひとつは、『言葉にならないもの』が表現されるというところにある。

クライエントが『言葉にならないもの』を箱庭作品として表現する。

そしてカウンセラーも、クライエントの『言葉のならないもの』の表現を、すぐに言葉に変換してしまわずに、『言葉にならないもの』のまま、そのまま感じ取ることが大切だとされている。

そんな『箱庭療法』だから、きっと『言葉』との相性は、あまり良くないのだと思う。

私は箱庭療法を世の中に広めたい。

そのために、本当は、実際に箱庭療法を体験してもらって、『言葉にならない』体験を共有したい。

だけれども、箱庭療法を世の中の人たちに伝えるためには、まずは『言葉』を使って届けるしか、私には方法がない。

そのようなジレンマを抱えながら、『言葉』と相性の良くない『箱庭療法』を、『言葉』で説明しようと試みているのが、この「普通の人のための『箱庭療法』の説明書」である。

【理論編】では、箱庭療法の方法や効果などについて、理論的な部分を述べてきた。

ただ、理論的な部分を述べながら何度も感じたことは、「箱庭療法を実感をもって理解してもらうためには、事例に触れるということが必須なのではないか」ということである。

そこで、今回の【事例編】マガジンの作成に至ったというわけである。


大きな目的としては、箱庭療法を世の中に広めたいという思いがある。

箱庭療法は、現在、児童精神科の病院や児童相談所などで子ども向けに実施されることが多い。

ただ、私としては、子どもだけでなく大人でも、そして心理カウンセラーなぞとは普段かかわらない、いわゆる「普通」の人にも箱庭療法は有効だと考えている。

それは、私が実際に箱庭療法を体験してみて、そしていわゆる「普通」の人に箱庭療法を提供してみて感じたことである。

ここでこの記事を読んでいる人を、いつか私のカウンセリングルームに招待し、箱庭療法を実際に体験してもらえる日が来ることを楽しみにしつつ、ここでの繋がりを大切にしていきたいと思う。

ここの場は、ある意味クローズドのコミュニティになると思う。

だから、気軽に質問等のやりとりをしていければ嬉しい。

質問やコメント等、お待ちしております。

それでは早速、箱庭療法の事例をご覧ください。

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「普通」の人のための箱庭療法の説明書【理論編】を読んでもっと知りたいと感じた人向けに、箱庭療法におけるカウンセラーとクライエントのやりとり…

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