#13 白線で分けられた世界
白線どこまで引くのか
校庭をまっすぐに進んで このまま途切れずに続いていく未来
けやき坂46の「永遠の白線」の歌詞の冒頭である。
このように白線は、ときに輝かしい未来を表すが、多くの場合分断を意味する。
大都市の多くの駅では、こちら側から歩く人と向こう側から来る人を分ける線や表示がされている。
私は地方の出身なので、人が少ない地元では白線がなくても人にぶつかることなんてなかった。
都会と地方の差として、「人との距離感」や「人柄」があげられやすいが、それは人工的に引かれた白線によって生まれているのではないか、と思った。
私は、「都会を感じる場所」として、飲食店をよくあげる。
地方では家族連れの客が多く店舗も広いので、4人掛けの席やお座敷が多かったり広々とした店内だったりするが、都会では狭い店内の壁に沿ってカウンターが並んでいる。席に座るともう壁しか見えない。
そんなときにも都会の窮屈さを感じるのだが、それも、目に見える線が無いだけで、他のお客さんや店員さんと分けられた自分というものを感じてしまうのかもしれない。
とはいえ、そんな東京で人のやさしさやあたたかさに触れると、地元以上に嬉しくなるのである。
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