弁護士とは 私が弁護士を目指す理由は
この記事を読んでいただいている皆さんは、弁護士ってどんなイメージを思い浮かべますか。
「リーガル・ハイ」で描かれるような、刑事事件で被告人の代理をする人、というイメージが一番強いのではないでしょうか。
私も、初めはこのイメージでした。
ただ、弁護士はこれ以外にも様々な活躍場所があり、企業間の契約を取りまとめたり、離婚による法律関係を取りまとめたりしています。
そして、弁護士の多くは全国各地に存在する弁護士事務所に所属しています。
日本には、”四大事務所”と称される、最大手の弁護士事務所があり、そこでは、企業間の契約を取りまとめる業務や倒産を処理する業務など、企業法務が主として取り扱われています。
ここに所属する弁護士は、超スーパーエリートであり、1年目から年給が1000万円を超えます。
私は、四大事務所を見学して、弁護士は、企業法務のスペシャリストなんだーっていうイメージに変わりました。
ーーーーー
お恥ずかしいことに、私はロースクール(法科大学院)に入るまで、”四代事務所”はおろか法律事務所という存在すら知りませんでした。
また、弁護士として働くかぎり、業務の多くが企業法務になるという現実も知りませんでした。
東京大学の法科大学院に通学していた(そして私より先に終了していった)友達の多くは、企業法務に関心を持っていました。
募集要項にも、企業法務のスペシャリストを育成する、みたいな記載があったみたいですしね、、。
そのため、授業でも企業法務に関する授業がいくつか行われました。
しかし、どうでしょう。
授業をきいて、私は「こーれはまずい。まったく興味がない。」と思いました。
弁護士として食っていける体質ではなかったのです。
ーーーーーー
私は、高校生のときに、自分の知識を使って”何かを何かから守る”という仕事をしてみたいと思いました。
そこから、弁護士という仕事に漠然と興味が湧きました。
ただ、その段階では明確な弁護士像はなかったので、とりあえずどこかの法学部に入ろうと考えました。
勉強は何か具体的な目標が必要だと思います。
明確な弁護士像がなかった私は、大学受験にも身が入らず、たまたまマークシートで色塗りしたら合格した中央大学法学部に進学することになりました。
ただ、この進路のおかげで明確な弁護士像を描くことができました。
ーーーーー
私は、動物愛護や自然保護に強く関心がありました。
物心つく前から野生動物にご飯を与えたりしていたことや、自然豊かな田舎で幼少期を過ごしたのがきっかけだと思っています。
そのような折、大学3年生のときに受けた環境法の授業において、ある訴訟と出会いました。
その訴訟とは「自然の権利」訴訟と呼ばれるものです。
自然を保護するために、野生生物や自然環境を原告に連ね、又は、市民がそれを代理する形で提起される自然保護訴訟、をその内容とします(『環境法basic』大塚直)。
日本の法制度上、裁判で当事者となれるのは、人か法人です。
動物や自然環境それ自体は裁判で当事者となれません。
しかし、たとえば違法な森林の乱開発が行われた場合、そこに住む野生生物は住処を奪われ、自然環境は回復困難な程度に侵害される、ということも少なくありません。
実際にあった事案の1つとして、「アマミノクロウサギ訴訟」があげられます。
もし気になられた方は、調べてみていただけると幸いです。
その事件では、やはり裁判で当事者となれるのは、人か法人なので、アマミノクロウサギなどの動物は当事者となれません、とされました。
しかし、野生生物や自然環境だって、その住処を奪われることにつらい思いをしているはずです。
私は、この事件を読んで、自然の権利訴訟が認められるような立法がされる世の中にしていきたい、と考えました。
そしてそのためには、自然の権利訴訟が重要な問題提起をしているということをもっと色々な人に知ってもらうことが必要だと思いました。
そこで、弁護士になって、NGOやNPOに所属し現地で活動するとともに、たくさんの情報を発信し、自然の権利訴訟の立法化の機運を高めたいと考えました。
以上が私が弁護士を目指す理由です。
ーーーーー
留年して、司法試験の勉強が嫌になったこともありますが、今でもその目標だけは変わってないので、まずは司法試験の合格に向けて、また勉強を頑張っていきたいと思います。
ここまで読んでいただいた方、本当にありがとうございます。
少しでも興味を持っていただけましたら嬉しいです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?